溺れる魚


2007.10.20 相当キャラ立ちしている 【溺れる魚】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
相当キャラ立ちしている。白洲であったり秋吉であったり、そして最後の黒幕であったり。ここまでくるとまったくリアリティもくそもないが、虚構として見ると、これほど引き付けられるキャラクターたちはいないだろう。事件と複雑に絡み合う様々な登場人物。いったい誰が味方で誰が敵なのか、そして最後の黒幕はどこまで操っているのか。なかなか底を見せない展開で、観衆の興味を引き付けている。事件の話はおいといて、キャラクターがぴか一だ。ただ、そのキャラクターが存分に生かされているかというと、ちょっと疑問かもしれない。特徴的な演出はリアルタイムで見れば衝撃的だが、今となっては見飽きた感もある。

■ストーリー

日活アクション映画の“エースの錠”に心酔している白州(椎名桔平)と、女装癖のある秋吉(窪塚洋介)。刑事としての自覚にまったく欠いているこのふたりに、警察内の内部犯罪を取り締まる特別監察官室の相川(仲間由紀恵)は、公安部警部・石巻の動向を探らせることに。石巻は大手フィルムメーカーのダイトーやチャイニーズ・マフィアとの癒着が疑惑されている。そんな折り、ダイトーに“溺れる魚”と名乗る者からEメールで脅迫状が送られて来た…。

■感想
ある意味漫画的で、リアリティは一切もとめてはいけない。お笑い要素というか、クソ真地面な事件の中にもお遊びを含めている。特徴的な演出で、奇抜な印象をもたせている。これはこの時代であればある程度新鮮さはあったのだろうが、ちょっと今見ると、過剰に感じてしまった。

特徴的なキャラクターと個性豊か過ぎる登場人物たち。誰もが普通ではありえないようなキャラクターをしている。セリフもなんだか漫画的で、その時代の最先端を取り入れた演出や、面白小道具を用いている。仲間由紀恵などはブレイク前の作品なのだろう。こうやってちょっと前の作品を見ると、キャストにも時代を感じずにはいられない。それがまた、違った意味での醍醐味なのかもしれない。

あまりにキャラ立ちしすぎているために、後半は少しガチャガチャしすぎた印象をもった。三つ巴と思いきや実は黒幕は一人だったりと、お決まりのパターンなのかもしれないが、
特徴的なキャラ設定のため、その設定で最後まで突っ走るしかないのか、最後は女装であったり宍戸ジョーマニアであったりする部分がちょっとうっとおしくも感じてしまった。

さまざまなヒットする要素を盛り込んでいるのはわかる。溺れる魚というタイトルが最後にどこまで効いているのかよくわからなかったが、言葉的にはとても印象に残っている。全体的には、この時代を懐かしむ要素はてんこ盛りだ。今となっては「あの人はいま」に登場しそうなIZAMUが重要な役で登場しているあたりも、懐かしさを感じさせる要因だろう。



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