2006.4.21 どこまで信じることができるか? 【ノロイ】
評価:3
■ヒトコト感想
ホラー映画として見るか、ドキュメンタリーとして見るか。どちらかでずいぶんと評価は分かれそうだ。ドキュメンタリーとして見ると、とても衝撃的であり、まさに超常現象を目の当たりにした信じられない気分でいっぱいになり、人にお勧めせずにはいられない作品となるだろう。しかしホラー映画として見るとなんとも中途半端で演出に不自然さがある。最後のショッキングな場面も、アーそうなんだという程度の感想しかない。ホラー映画としての恐怖感は皆無に等しいと感じた。僕自身は途中からホラー映画として見てしまった。
■ストーリー
ある日、怪奇実話作家・小林雅文が呪いをテーマにしたドキュメンタリー映像を残したまま姿を消す。そしてその映像には世にもおぞましいさまざまな“恐怖”が映っていた。
■感想
すべてをそのまま信じることができる人はこの上なく幸せな人で、本作も確実に楽しめることだろう。僕も最初は純粋にドキュメンタリー作品として楽しみながら見ていたのだが、中盤以降からあまりにも大げさな演出とバレバレな演技に、真実を感じ取ってしまった。そうなってしまうと、ブレアウィッチがとんでもない駄作に思えたのと同様に、ホラー映画としの恐怖をまったく感じることができなかった。
ハンディカメラの映像や番組のVTR、新聞の切り抜きに雑誌の特集とそれらしく思わせる演出が行われている。これは非常に効果的で作品に現実感を持たせるのにかなり役立っていると思う。それだけで実態をぼやかしていれば、想像力をかきたてられ、自分なりの恐怖を築くことができたのだが本作はあまりに映像的に表現しすぎた感がある。
明らかに、これが本物だったら映画は無理でしょうというような映像が多数登場し、極めつけは物語の最後に殺人現場のようなものがハンディカメラに映りこむのだが、ここまでくるとすでに作品は「あなたの知らない世界」状態になってしまっているので覚めた目で見るしかなかった。
見ている者にストレスを感じさせないために、最後まで決着をつけたのだろうがそれが決定的なアダとなってしまったようだ。内容はどうあれ、広告戦略などは素晴らしく興味を引かれる内容なのは確かだが、口コミで広がるようなものではない。
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