NEXT-ネクスト


2008.5.11 二分先の未来という定義が… 【NEXT-ネクスト】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
二分先の未来が見えるというのは面白い。ごく近未来でその先がどうなるかわからない…、はずだったのだが、結末はそうではなかった。なんとなくだが、間違った選択肢を選んだ場合にやり直しが利く、アドベンチャーゲームのようにも思えた。何度も何度もやり直し、その時最適と思われる行動を選択する。しかし、その先どうなるかは、わからないはずなのだが…。単純に二分先の未来が見えるというアイデアとクリスのイマイチぱっとしない雰囲気は良い。胡散臭さもいい味をだしている。極めつけは某ハンニバルを彷彿とさせるようなジュリアン・ムーアのFBI捜査官。配役に対してはまさに文句の付けようがない完璧さだろう。

■ストーリー

ラスベガスの小さなクラブでマジシャンをしているクリス(ニコラス・ケイジ)は、未来を予知する能力を隠し持っていた。一方、ロサンゼルスのどこかに核爆弾が仕掛けられ、アメリカ全体が2時間以内に壊滅する危機にさらされる。FBIのカリー(ジュリアン・ムーア)はクリスに協力を依頼するが、彼が予見できるのは自分の身の回りに起こるほんの2分先の未来で……

■感想
二分先を見て、自分の行動を選択する。間違えたとわかれば、正しいと思う選択肢を選ぶ。ただし、その結果が良いのか悪いのかは二分先までしかわからない。その先は、進んでみなければわからない。過去には戻ることができず、取り返しのつかない選択肢を選んだ場合はどうしようもない。ニ分先がわかるということは、喧嘩をしても絶対に負けることがなく、交通事故や不慮の事態にも適切に対処することができる。まさに夢の能力だろう。

最初はクリスの身の回りに起こることのニ分先しか見ることができないクリスに、なぜカリーは助けを求めるのかわからなかった。ニ分先に核が爆発するという事実がわかったところで、どうにもならないのではないかと思ったが、本作ではそのあたりをある意味ウルトラC的な手法で乗り切っている。最後の能力に対して詳しく説明がなかったのだが、全てが夢だったという夢オチだったのだろうか。それとも二分先のさらに二分先を見続けたという解釈でよかったのだろうか。しかし、それだと永遠に自分の未来を見ることができそうな気がした。

しかし、二分先から選択肢を分岐し、そのまた二分先でも選択肢を選んでいくと、天文学的な数の結末が存在するのだろう。頭が混乱しそうなほど複雑な流れを映像としてあっさりと表現している。誰かを探す場合に、クリスが次々と分裂していくというのは良い表現方法だと思った。結末間近には激しい銃撃戦があるが、その最中にも銃弾が飛び交う中を悠然と歩いて進むクリスはとても印象的だ。ただ、クリスの後ろからついてくるFBIたちが次々とやられていくのは少し気になった。

過去に戻るのではなく、ごく近未来が見えるというのは新しい。しかし、結末がどうにも夢オチ的というか、二分先という定義に沿ってないように感じられたのは僕だけだろうか。



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