ニューワールド


2006.8.31 環境ビデオのような壮大な景色 【ニューワールド】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
壮大な景色。そしてのんびりとした雰囲気。まるで環境ビデオのように長回しした景色をひたすら写し続け、何も語らずとも全てを広大な台地が語っている。そう言わんばかりに雄大な景色を前面に押し出している。イギリスから突如として訪れた開拓者としてコリン・ファレルが登場しているのだが、どうしてもイギリス紳士というイメージはない。粗暴な役が似会う彼が女性に優しい紳士の役をしてもちょっと違和感があった。初期の段階では言葉が通じないので、自然と会話なしで見つめあう場面が多くなる。それが良い影響を及ぼしているのか、静かな中に大地の雄大さと自然のすばらしさを存分に感じることができる。見ているとその映像に癒される。まるで環境ビデオのような作品だ。

■ストーリー

1607年、新たな楽園を求めてイギリスの港を旅立った船が、長い航海の末に北アメリカのヴァージニア近辺に辿り着く。しかし、そこには先住民のコミュニティが存在した。ニューポート船長は、反乱罪に問われていたジョン・スミスを解放する。彼の勇敢さを買って、先住民との交渉役を任せる。しかし、スミスはたちまち先住民に捕えられ、王の前に連行されてしまう。そして、スミスの処刑が命じられた時、王の末娘ポカホンタスが命乞いをし、彼は救われる。やがて2人は、言葉や文化の壁を超えて深く愛し合うようになるのだったが…。

■感想
雄大な景色、そして開放感一杯の自然。イギリス人の開発の毒牙にさらされる前のアメリカ大陸は、これほどまで自然に満ち溢れたのんびりとした大陸だったのだろう。今までのイメージでは開拓者というよりも侵略者のイメージしかなかったが、本作を見るとそれなりに原住民に対して敬意をはらって接していたのだろう。この世のパラダイスだという表現もあったが、自然に溶け込んだ生活をする原住民を見ると、そう思うのも、もっともだと思った。

開拓者が原住民の女と恋に落ちる。そしてそのまま原住民を追い立ててやがては離れ離れになる二人・・・。なんてのを想像していたが本作はわりとあっさり二人は結ばれる。そしてその後の話がメインになっている。もしかしたら原住民の女というのは関係なしに成立するのではないかと思ったが、やはりそれは原住民を絡めることで雄大な自然の中で生きるということを意識させている。

自足自給の生活。穏やかな時間の流れの中で幸せに暮らす風景は見ていて心洗われる気分になる。コリン・ファレルが主演となるとどうしても荒々しいイメージが付きまとうが、本作のようにとてもゆっくりとした流れの作品も結構ははまるのだと思った。最後の結末はまあ、当然の流れだと思う。あそこで女がコリン・ファレルを選択していたらとんでもない妄想映画のような印象をもっただろう。



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