ネバーランド


2005.11.12 さわやか感動作 【ネバーランド】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
ものすごく綺麗で、そしてさわやかで、感動的な物語に仕上がっている。
よくよく考えると、ジェームズがシルヴィア家族と仲良くしているのは、シルヴィアに興味があり
不倫物語のはずなのに、ふたを開けてみればとてもさわやかな感動作に化けている。
小生意気なピーターも最終的には可愛く見えてくるから不思議だ。
誰かが幸せになれば、不幸せな人もいるはずだが、全ての良い部分だけを抜き出した作品なので
見終わると何とも言えない感動が沸いてくる

■ストーリー
劇作家ジェームズ・バリ(ジョニー・デップ)が、未亡人シルヴィア(ケイト・ウィンスレット)との
出会いをきっかけに、名作「ピーター・パン」を書き上げるまでを描く感動作。
1903年のロンドン。新作の芳しくない劇評や、妻とのぎくしゃくした関係に悩むバリは、
シルヴィアと4人の息子たちとの交流に安らぎや生きる喜びを覚えていた。
父の死を心の傷としている三男のピーターに書くことのすばらしさを伝え、
病気を抱えたシルヴィアを気遣うバリ。やがて舞台「ピーター・パン」は初日を迎えるが…。

■感想
どう考えてもジェームズはシルヴィアねらいであり、それ以外は考えられない。
シルヴィア狙いの副産物として子供達の境遇を自分の仕事のネタとして利用しただけの物語なのだが
表現の仕方によってこうも変わるものかと驚かされる。

このさわやかさの原因は何かと考えると、やはりジェームズ役のジョニー・デップにつきると思う。
ジェームズ役をどこかのエロ親父風の男がやったら途端に卑猥な不倫ドラマに成り下がるところを
ジョニー・デップのさわやかな笑顔で本来なら
とても厚かましいことでもなぜか違和感なくなじんでしまう。

子供達とシルヴィアをいじめる、意地悪おばさんがいるのもポイントが高い。
それによって、シルヴィア家族+ジェームズ対おばさんという図式ができあがってしまう。
客観的に見るとおばさんの言っていることは間違っておらず、まっとうな人物のはずなのだが、
ここでは常識は通用しない。

最後には生意気な子供も、意地悪なおばさんもピーターパンを見て、感動し、
大人達は自分の子供の頃を思い出し夢と希望を大切にという流れになっている。
ピーターパン自体がそういう物語であり、子供達を啓蒙する役目を果たしているのだが、大人達も巻き込み
全てを丸く収めるような力をはっきしている。

その後、ジェームズの奥さんがどうなったかとか、子供達がどうなったかは気になるところだ。



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