七人のマッハ!


 2008.5.13  ただアクションを見よ! 【七人のマッハ!】  

                     

評価:3

■ヒトコト感想
このCG全盛の時代にあえてCGを使わず生身の人間で危険なスタントに挑戦するその心意気はすばらしい。しかし、あえてそうする必要があるのか?なんてことを思っていたが、想像以上に素晴らしかった。ストーリーは荒唐無稽で何でもありな世界なのだが、そんなことは関係ない。この圧倒的な迫力で画面上からあふれ出す無謀なスタントを見るだけで十分だ。一歩間違えれば確実に死ぬという場面であっても果敢にトラックからトラックへダイブするその勇気。エンドロールで、昔のジャッキー映画のようにNGシーンが登場するのだが、それを見て、さらに驚いた。骨の一本や二本は確実に折れているだろう。純粋に映画作品としての楽しみよりも、危険なアクションばかりに目がいってしまう作品だ。

■ストーリー

捕らえられた麻薬王ヤン将軍奪回のため、武装集団がタイ最北部の小さな村を襲撃。村人を人質に政府に将軍の釈放を求めたのだ。そんな村にたまたま慰問で訪れていた、テコンドーやサッカーなどの国内の一流スポーツ選手と刑事デューが立ち向かうことに。

■感想
一流のスポーツ選手たちが武装集団と戦う、まる腰の村人たちが一斉に武装集団に襲い掛かり、武装集団を壊滅まで追い詰める。荒唐無稽にもほどがあり、終いには首都のバンコクへミサイルが打ち込まれる!っと思いきや、ミサイルは外れました…。思わず、ずっこけそうなストーリーだが、まさにずっこけてしまう内容だ。そして、そのストーリーを受け入れろといわんばかりに、強引に畳み掛ける激しいアクション。本作は確実にアクションを見せるためにストーリーが存在し、アクションさえ見せることができれば、ストーリーなんてどうでもいいといったような感じだろう。

冒頭からいきなり、走るトラックの荷台から転げ落ちたり、並走するトラックの間に落っこちたり、爆走するバイクを壁に激突させ、そのまま運転手が飛び出したり。火がついた丸太で殴りあったり。なぜそこまで生身の人間でやる必要があるのか。極度のドMか、何かの拷問としか考えられないようなことばかりだ。本作を見るまでは、CGを使っていようがいまいが、映像的にはそれほど違いはないだろうと思っていた。現代の技術ではCGでも相当なものができると信じていた。しかし、実際には違った。何が違うかと細かく表現できないが、伝わってくる熱意が違う。例えば、トラックから飛び降りる前の役者の表情は、ある種の覚悟のようなものが見えた。

エンドロールでは、昔のジャッキー映画さながらに、アクションシーンのNGを見ることができる。そこでも思わず見入ってしまった。NGシーンなので、当然失敗しているのだが、その際の役者の痛がり方は並ではない。下手したら、その場から動けないほどのダメージを受けた役者もいたほどだ。さらに言うなら、周りのスタッフの慌てようからも、相当なことだというのが容易にうかがいい知ることができる。ありえないストーリーや、へんてこな展開すらも、このアクションとマッチしているように感じるから不思議だ。

何も考えずに、ただひたすらアクションを見る。そして、人間はここまで無謀なことができると認識するには良い作品だろう。



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