蟲師


2007.7.23 事前準備が必要 【蟲師】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
原作は未読。大友克洋監督であったり人気漫画原作であったり、何かと話題になっている。正直言うと事前知識がないと辛いかもしれない。映画ということで、短時間のうちにキャラクターのエピソードを事細かに伝えることができず、どうしても説明不足になっている。見終わった後、サイトなどを調べて、始めて気づくこともいくつかあった。映像はすばらしく、雰囲気もよかったのだが、説明不足な面と、江角マキコのなんだか浮き上がったカツラだけが気になってしかたがなかった。

■ストーリー

100年前の日本では、ある日突然、耳が聞こえなくなったり、角が生えたりする奇妙な現象が起きる事があった。人々はそれを、目には見えない“蟲”の仕業と噂した。そして、その蟲の姿が見え、封じることが出来る者を蟲師と呼んだ。蟲師・ギンコは、筆で書いた文字で蟲を封じる足の悪い美しい娘、淡幽に会うため長い旅を続けていた。しかし、ある事件に巻き込まれ、ギンコ自身が蟲に冒されてしまい…。

■感想
蟲師とはどういうもので、どういった存在意義があるのか。そしてギンコは何者なのか。その部分は本編を見ていけば、おのずと理解できるものと思っていたが、これが思いのほか難しかった。キャラクター的にも礼儀正しい朴念仁タイプなのか、楽天的なタイプなのかもつかみきれなかった。まあ、当然場面によって変わるのはあたりまえだが、序盤と終盤ではギンコの印象がずいぶんと変わってしまった。

ギンコの出生の秘密と、蟲との関係以外にも淡幽との重要なエピソードがある。この二人でちょっとしたラブロマンスな雰囲気を出そうとしているのだが、二人の出会いや経緯がいっさい語られていないので、ずいぶん薄っぺらい感じがした。恐らく原作を切り張りして、おいしい部分だけを映画化したのだろうが、蟲師であるギンコと淡幽の関係、あとはどのようにして蟲師になったのか分かれば、よりのめり込めたかもしれない。

本作のような作品は、
原作なりアニメなりを事前にチェックするのが当然なのかもしれない。何の予備知識もなしに見ると、多少の混乱を伴うのは確かだ。しかし、映像としてはすばらしく、俳優もいい味を出しているので、ストーリーに重きを置かなければ十分楽しめるだろう。

ここ最近のメディアミックス戦略だが、映画をきっかけに漫画やアニメを見ようと思うかは微妙だ。逆はあるかもしれないが。



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