もしも昨日が選べたら


2006.10.24 タイトルとは乖離した下ネタコメディ 【もしも昨日が選べたら】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
超下ネタコメディだ。”もしも昨日が選べたら”というタイトルと過ぎ去った過去には戻れないという雰囲気からハートウォーミーな物語かと思ったが大違いだった。ビデオのリモコンのように人生を早送りしたり巻き戻しができる。しかし巻き戻しても過去に戻れるわけではなく、ただその場面を眺めるしかできないことがポイントだ。普遍的なテーマである一番大切な物は何かということを言いたいのだろうが、それとこのビデオ機能に繋がりはほとんどない。あるのは早送りした人生を後戻りできないという後悔と、ビデオ機能を使った微妙ないたずらだ。下ネタということを加味しても面白いモチーフだと思う。

■ストーリー

建築士のマイケルは、家庭を顧みない仕事人間。美しい妻と二人の子供たちは、楽しみにしていたキャンプも行けず、寂しい思いをしていた。働きすぎのマイケルは、自宅でどれがテレビのリモコンかも分からない。全ての電化製品を操れるリモコンを買おうと、深夜も営業しているホームセンターに出かけた。そこで、一風変わった部屋を見つける。そこには、怪しげな従業員・モーティがいて、何でも操作できる最先端のリモコンをマイケルに渡す。それは、電化製品だけでなく、人や時間までも操れる、夢のリモコンだった。

■感想
元から下ネタコメディで行く気満々だったのだろう。どう考えてもキャラクター的に下ネタコメディが似会う面々だ。しかし流れは多少シリアスだったり見方を変えればホームコメディに見えなくもないが、全体的には下ネタの印象が一番強い。タイトルからイメージする作品とは程遠いものかもしれないがビデオ機能を使って人生を操るというのは面白いかもしれない。

風貌もどこか似ているように見えてしまうのだが、どうもマイケルがドラえもんののび太に見えてしょうがなかった。ドラえもんから新しい秘密道具を与えられたかのようにいろいろな機能を使い、自分の都合の悪いことは全て早送りで済ませてしまう。自分は苦痛を感じずに楽ができる。これって嫌なことからは逃げるという
典型的な駄目人間のパターンだ。そののび太風なマイケルは本家のび太と同じようにお約束だが道具を使いすぎて後悔する。しかしそこでは後戻りできずにドラえもんに泣きつくしかない。本作のマイケルには泣きつける相手がいないのが現実的だ。

人生で一番大切な物は何か。最後は非常にわかりやすくホームコメディチックになっている。今までの下ネタは嘘かのようにそこだけ家族向けの作品に様変わりしている。はたしてこの作品のターゲットはどこを狙っているのだろうか、確実に家族向けではない。面白い趣向を凝らしているのだが、最後はお決まりのパターンになってしまったのが少し残念かもしれない。

最終的なあのオチは全ての説明を放棄し、強引にハッピーエンドにするためにはしょうがないのだが、どうも納得いかない。



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