漫画原作のつくり方 プロの原作者になる


2007.12.9 参考程度にとどめるべき 【漫画原作のつくり方 プロの原作者になる】

                     
■ヒトコト感想
漫画原作というと、ほとんどなじみはない。基本的にはドラマのシナリオと同じような形なのかと思っていたが、中身は大きく違っていた。漫画原作独特のルールとしては、絶対に時系列で物語を進めなければならない。回想形式は駄目だということだ。この方式だと構成上どうしても平べったい印象をもってしまう。しっかりとした起承転結ができていれば、問題ないとは言っているが、かなり衝撃的な事実だ。本作では実際に漫画化された原作がのっているが、これはどうなのだろうか。正直、読んでもまったく魅力を感じなかった。これが漫画原作というものなのだろうか。

■ストーリー

漫画を「描く」ではなく「書く」。実践テク満載のプロ養成塾。 実際の漫画原作を元にして、プロの漫画原作者はどのようなことに注意して原作を書いているのか。絶対にやってはいけないタブーとは?新人漫画原作者が越えられない壁など、原作者を目指す者には興味深い、実践的な指南書。

■感想
本作にのっている漫画原作は、かなりマイナーな作品だ。どうせなら、有名作品の原作を読んでみたかった。例えば最近でいえば、DEATH NOTEなど、どんな原作が書かれているのか、非常に興味深い部分ではある。もともと漫画が面白くなければ、原作にも興味をもつことはない。その意味で言うと、本作の原作は、マイナーであり、漫画自体を読んでも、それほど面白く感じなかったので、ほとんど参考にならないような気がした。

漫画原作を書く上でのルールや、新人漫画原作者が陥りやすい罠などは、非常にわかりやすく書かれている。ただ、例として登場する原作が、あまりに読んで魅力を感じないために、説得力がないのは確かだろう。どうしてもドラマのシナリオや脚本と比較してしまうのは当然のことだと思う。ドラマのシナリオであれば、ものすごく熱中して読むことができ、頭の中には映像が浮かんでくる。そして、次回への引きの強さも相当なものがある。本作に登場する作品には、それらを感じることがなかった。

漫画大国である日本。今現在、漫画の地位はまだ低いが、そのうち小説やドラマなどと変わらないくらいに高くなるだろう。世界に対して通用するのも漫画だけだと思っている。今後、少子化をにらみ、大人向けの漫画が大量に出版されるだろうが、大人が読んでも楽しめる作品となると、絶対に
魅力的な原作が必要になると思う。それらを目指す人には本作は多少の参考になるかもしれないが、参考程度にとどめておくべきだろう。

そのうち有名漫画原作者というのが、メディアに頻繁に登場する日も近いと思う。



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