マネーゲーム 株価大暴落


2006.11.20 まるでインチキな先物取引だ 【マネーゲーム 株価大暴落】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
B級映画の香り漂う作品。マネーゲームというよりもインチキ勧誘商売と言ったほうがいいのかもしれない。金が欲しいという欲求から知らず知らずのうちに屑株を顧客に売りつける。そのセールストークがどこかで聞いたことのあるようなフレーズばかりだ。まさにこれは一昔前に問題になった(今も?)先物取引の勧誘に似ていると思った。インチキ商売の裏側をのぞけるのと、その会社にいる人間のある種麻痺したような感覚。その組織に属していれば、多少のおかしなことにも慣れてしまうのだろう。雰囲気は十分に堪能できる。

■ストーリー

偉大な父親を見返してやろうと闇カジノを経営していたセス。しかしそれが父親にバレ、叱責されたため新たな仕事を探すことに。そんな時に偶然の出会いからある証券会社に勤めることになる。しかしそこにはブローカー達の知力を尽くしたサバイバルがまっていた。どうやって客に株を買わせるか、それだけを考えセスはたちまち沢山の顧客を手に入れることになる。順風満帆な生活の中に一つの影が潜んでいた。会社の腐敗に気づきながらセスは顧客に株を売り続けることに・・・。

■感想
父親に認められたいがために頑張ろうとするセス。厳格な父親であればあるほど落ちこぼれた息子は惨めになり、そしてグレていく。なんか典型的なダメ親子の姿だと思った。そんなセスも父親には迷惑をかけまいとする気持ちが見え隠れするのは救われる部分だろう。自分がやっていることがインチキだと気づいてからも、抜け出すことができない。一般人から金を絞り取る。自分の良心との葛藤は痛いほど伝わってきた。

ベン・アフレックやヴィン・ディーゼルが脇役で登場するのだが、彼らである必要は全然なかった。本当にただの脇役なのだがそれなりに個性はでていた。しかしセスに何かと絡んだはずのベン・アフレックが演じる役は、最後に何か大きなことをしでかしそうだが結局何もやらなかった。最後にFBIの手入れが入る場面で、もうひと悶着あってもよかったと思うのだが、最後は尻切れ気味に終わっている。そこは少し消化不良に感じた。

本作の見所はインチキ会社にありがちな新人教育とセールストーク。それは万国共通だということと、インチキ株を相手に買わせる巧みな話術を見て楽しむのが良いだろう。それ以外には特に見るべきこともなく、淡々と予想通りの展開になっていく。全体的には金が目的と言ってはいるが、セスが最終的に何がしたいのか、もしかしたら父親に認められたいだけだったのだろうか。それならば金を選ばずにまっとうな仕事につくことが一番だと思うのだが。

目的は不明だが、インチキ会社やセールストークを見て楽しめる。



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