魔法にかけられて


 2008.4.9  ファミリーでどうぞ 【魔法にかけられて】  

                     

評価:3

■ヒトコト感想
これこそがアニメと実写の融合なのかもしれない。ディズニーアニメ独特な姫と王子。日本のアニメに慣れている者にとっては、違和感を感じずにはいられない。そんな姫が突然実写化したらどうなるのか…。アニメよりも全然かわいらしかった。アニメのキャラクターをそのまま引きずっているということがあるにせよ、あの甲高い声で、アニメそのままの行動をとるジゼル。ハイテンションではしゃぎまくるエドワード王子。アニメが実写になったらこうなるだろうなぁという予想通りの動きをしてくれる二人。やはり現実ではそのハイテンションは浮きまくっている。特に王子がたんなるバカ王子に見えてしょうがなかった。ジゼルのかわいらしさが本作の全てだろう。

■ストーリー

アンダレーシアで動物たちと暮らす美しい姫、ジゼルは、運命の人と出会い、結婚する事を夢見ていた。ある日、怪物に襲われたジゼルは、エドワード王子に助けられる。お互い一目惚れし、出会ったばかりにも関わらず、完璧なデュエットを披露し、翌日結婚する約束をする。しかし、王子の結婚を喜ばない継母のナレッサ女王は、魔女を送り込み、ジゼルを井戸に突き落とす。なんと、その井戸は、現代のニューヨークに繋がっていた!

■感想
アニメでの印象と実写での人物をリンクさせるのはそう難しくない。ただ、それが実写で一般人と共に生活するとなると、やはり本作のようになるのだろう。ジゼルの、アニメそのままの純粋な行動と、穢れを知らない表情はかわいらしさを増幅させる効果があるが、エドワード王子のハイテンションな暴れっぷりは、バカ王子以外の何者でもない。現実にこんな男がいたら、近寄りたくないと思うだろう。そんな二人に関わることになった家族は…。物語の展開としては面白い。特にあたふたする現実の人々が笑いを誘う。

本作は圧倒的にファミリー向けなのだろう。御伽噺と現実のリンクというのは、親が子供に見せる場合に都合が良いことばかりだ。作品にもちゃんと子供が登場し、観衆である子供たちの疑問を代弁してくれている。そこまでは良くわかるのだが、結末はどうなのだろうか。本来のカップリングから離れたカップリングとなっている。普通に考えれば、あっさりと予定調和的に、王子がジゼルを助け、アニメの国に帰りめでたしめでたしではないのだろうか。とにかく意外な結末であった。

姫の実写、王子の実写、召使の実写、魔女の実写と実にうまく纏めている。ただ、リスの実写だけは…。やはりこうなってしまったかというように、リスだけが異様に浮いている。現実世界でのバカ王子っぷりに匹敵するほど、リスが動き回るのは違和感があった。動物つながりでいえば、ジゼルの歌に誘われ集まった小動物や虫たち…。アニメでは問題ないことでも、実写にするとこうもおぞましくなるのだろうか。明るい歌に誘われ、ゴキブリが集まる場面は、単純に鳥肌がたってしまった。

新しい試みで、それなりに成功していると思う。ジゼルのかわいらしさもそうだが、王子のうっとうしさも現実的で良いのかもしれない。



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