マグマ


2007.12.20 ハリウッドらしい解決策 【マグマ】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
CG満載で全世界の休火山が大爆発する。世界的に有名な火山が噴火し、マグマの餌食になる。なんとなくダンデスピーク的なものかと思ったが、予想外にチープだった。まずCGのマグマは良いとしても、そのマグマに人が飲み込まれる瞬間、まるで穴にでも落ちるように一瞬にして消えてしまう。いかにマグマといえども、人が入ったら、それなりに燃えたりするはずなのだが、サラリと消えてしまう。溶岩の流れる恐ろしさと、世界規模の災害ということで、緊迫感はあるが、解決策はいかにもアメリカらしいなんでもありな世界だ。

■ストーリー

アイスランドで休火山が噴火し調査隊が全滅する悲劇が発生。続けざまに中米、地中海、太平洋岸でも休火山が活動を開始。シェパード博士は、地球のコアにかかった負荷により、1500の休火山が噴火するという仮説“エクソダス理論”が現実のものになると確信する。そして、破滅を阻止するための最後の計画は、太平洋、大西洋の海溝に核魚雷を撃ちこむというものだった…。

■感想
本作のように地球規模の災害であっても、決定権があるのは、アメリカ大統領と一部の幹部たちである。そして、その決定があたかも世界の総意のように得意げに全世界に向けて演説を繰り返す。この手の流れは、アルマゲドンやその他災害物ではありがちなことだが、今回は特に強烈な解決策だ。噴火を止めるために、海の中に核ミサイルを撃ち込むというのはどうなのだろうか。得意げに語る科学者たち。想像を超える災害には、想像を超える方法しかないのだろう。

溶岩の恐ろしさや、火砕流の強烈さは、雲仙普賢岳の火災をニュースなどで見ている日本人には馴染み深いのかもしれない。今、もし、富士山が大爆発したら。ただ、本作の監督は富士山のことを良く知らなかったのだろうか、富士山の位置が微妙に間違っていたり、すこしズレた日本像をもっていたり、日本人から見ると、気になる部分ではある。

どろどろと真っ赤なマグマがゆっくりと流れていく。そして、足を踏み入れると、溶けるという表現を超えて、消えるというほど、跡形もなく消え去ってしまう。世界中の火山が噴火し、逃げ惑う人々。このあたりは、一般人が、何気ない生活から突如として窮地に立たされ、そのままマグマの犠牲になっていく。ご都合主義的ではなく、自然の猛威に抗うすべをしらない人間の弱さのようなものを感じてしまった。あっさりと飲み込まれるシーンは、なんだか無性に悲しくなってしまう。

世界の火山に興味がある人、もしくは、マグマに興味がある人(笑)は見てもいいかもしれない。



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