2005.10.15 潜水艦ものにはハズレがない? 【ローレライ】
評価:3
■ヒトコト感想
潜水艦ものにははずれがないとよく言われていたが、本作に関してはあまり良い評判を聞くことが
できなかった。確かにものすごく漫画的であり、おいしい部分を最初に出してしまい、
後半まで引っ張る要素が少なかったり、
最後に突然現れる回想形式で語る米兵だったり・・・。
まあ、粗を探せばいくらでもありそうだが、あえてそこには目をつむって
良い部分だけを見れば、十分楽しめると思う。
主演の役所広司の演技にも助けられているのかもしれないが、感動させようとしている部分では
制作者の意図が十分伝わり感動することできると思う。
■ストーリー
1945年8月、ドイツ降伏後日本海軍に収容された戦利潜水艦「伊507」。
海軍軍令部作戦課長の浅倉大佐は、この艦の艦長に、
かつての名艦長で現在は閑職に回されていた絹見少佐(役所広司)を任命。
原子爆弾を積んだ敵輸送艦を撃沈するミッションを与えた。
伊507にはドイツ軍が開発した特殊兵器「ローレライ・システム」が搭載されているのだが、
その全貌は明らかになっていなかった。
広島、長崎に続く3発目の原爆を積んだB-29の出撃を阻止するため、日本海軍最後の戦いが始まった・・・。
■感想
潜水艦ものは密閉された空間の中で敵との緊迫した戦闘を描く作品が多く、
映画化するにはとても適している題材だと思う。
本作も緊迫した場面は多々あり、アメリカ海軍との戦闘でただ一機の「伊507」で立ち向かう姿は
まさしく日本のサムライ魂にふさわしいという印象を受けた。
しかし、ローレライ・システムのカラクリが前半であらわになり、またローレライ・システムの不明確さと
そこだけやけに漫画チックになってしまいとても違和感を覚えた。
緊迫した潜水艦内の中では妻夫木扮する若い兵士はどうしても浮いてしまっている。
そこにはピリピリするような緊迫感があるはずなのだが、それが画面を通してほとんど伝わってこなかった。
役所広司や堤真一などはさすがに重厚な雰囲気を醸し出しているのだが、
その温度差の違いにとまどってしまった。
危機に貧した場面では犠牲を払いながらもその危機から脱出していく、中には自業自得な場面もあったが
やはり自己犠牲を全面に押し出されるとどうしても感動してしまう。
これはまんまと制作者の意図していることだろうが、分かっていてもウルウルときてしまう。
ただし、前半で冷めた目をもってしまうと、その演出自体もちょっとばかばかしく思えてしまうかもしれないが・・。
突然最後に登場した米兵もかなり謎だ。いきなり米兵のインタビューだったというのもしらけてしまった。
まあ、丸く収めるにはこの形が一番スタンダードだからだろうか。
世間の評価はどうあれ、僕自身わかりやすいところで感動したりとそれなりに楽しめたので
レンタルで見る分には十分満足できる作品だと思った。
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