ラストデイズ


2007.2.2 伝説のミュージシャンの自殺 【ラストデイズ】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
伝説のミュージシャンであるカート・コバーンのことを知らないと辛い。僕自身、名前は知っていたがそれほどファンであったわけではない。自殺にいたるまでの最後の二日間。どんな人間でも最後の二日間というのは興味深いものかもしれない。それが伝説のロックアーティストであればいったいどのような行動にでるのか。あくまで想像の範囲内だと思うが、本作を見るとまさにカート・コバーンが本当に行動したことを克明にドキュメンタリーっぽく描いているのかもと思えてしまった。

■ストーリー

自ら命を絶った伝説のミュージシャン、カート・コバーン。彼を彷彿とさせるロックアーティストの最期の2日間を描く。リハビリ施設を脱出したブレイクは、森の中の屋敷にたどり着き、そこで彼の取り巻き仲間とともに、何をするでもなく時を過ごしていくのだった…。

■感想
おぼつかない足取りで森をさまよう。そんな場面からスタートした本作は正直言うと一般人が見るには辛いかもしれない。カート・コバーンというミュージシャンを少しでも知っていなければまったく見る意味がないのかもしれない。人が自殺直前にどのような行動をとるのかそこに興味を見出す人もいるかもしれない。しかし本作の主役は伝説的なロックアーティストであるので、またそこでも普通の人とは違う感覚なのかもしれない。どこにでもギターを持ち歩きながら引く姿がとても印象深い。

特に特徴的なバックミュージックがあるわけでもなく、極端に少ないセリフと強引に生活に入り込んでくるセールスマンたち。普通の日常の中で自殺にいきつくまでどのような行動をして、どういう思考回路をもつのか。画面を見ているだけではそれを理解するのは難しい。フラフラとさまよい歩くさまは、すでに
人間としての生気がないようにも感じられた。

このカート・コバーン役の役者はかなり気合が入っている。役を通して感じる気合ではなく、自殺の二日前という人間を演じるには相当のパワーが必要となることだろう。画面にはでない力や意気込みをひそかに感じることができた。

僕の場合は本作を一種のドキュメンタリーのような雰囲気で見ることができた。しかし何も予備知識なしで観るには明らかにつらい。カート・コバーンという人物を少しでも知っていればまた違った感覚もわいてくるだろう。



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