キリクと魔女


2006.3.29 画面から受ける印象は強烈 【キリクと魔女】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
不思議なアニメだ。CGを使うでもなく、スピード感あふれる映像やリアルな映像があるわけでもない絵柄的には20年前のアニメだと言われてもさほど違和感はないだろう。そんな作品なのになぜか目が離せない。日本のアニメにはない独特な音楽と、とっぴな展開。原色をそのまま塗りたくったような絵柄なのになぜかオシャレに感じてしまう。台詞まわしも非常にぶっきらぼうに感じたのだが、それもまた本作の絵とマッチしている。ストーリーよりも、絵と雰囲気とセリフに非常に興味を引かれる作品だ。

■ストーリー

主人公はアフリカの小さな村で生まれた赤ん坊、キリク。村は、魔女カラバによる呪いに苦しまされていた。「どうして魔女は意地悪なの?」好奇心いっぱいのキリクは、その行動力で村人たちを助け、賢者を求めて旅をし、やがて魔女の謎を解いてゆく。

■感想
魔女はわかる、村人もわかる。動物達もわかる。しかしあの鬼?というのはなんなのだろうか。どう見てもロボットにしか見えない。それも大昔のブリキのおもちゃのような・・・。その動きも非常にカクカクしていてリアルではない。昔のタイムボカンシリーズの方がよっぽどリアルで絵もカラフルで面白いロボットアニメだと思えた。しかし、それが妙に面白く目が離せない。くそマジメに作られているからなのだろうか。

ストーリーはなんだかよく分からないが、筋は通っているのでそれほど混乱することもない。魔女だとか賢者だとか神話的なにおいもするのだが、それよりも画面から受ける印象が強烈なために、なにもかもふっとばしてしまっている。

ここ最近のハイクオリティーなアニメと比べると明らかに見劣りはする。仮に本作をコンピュータを使ったリアルなアニメにしてしまうと、ただの凡作に成り下がってしまう。この絵とこの雰囲気とこの音楽。何かあると流れ出す民族音楽のような曲が頭から離れない。

恐らく監督は確信犯的に本作をこのようにしたのだろう、キリクや村人や魔女もそれなりに印象深いが魔女の住処の屋根の上で監視している鬼を筆頭にロボットのような鬼が面白くて仕方がない。もし、ブリキのおもちゃでもでたら買ってしまうかもしれない。



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