きんぴか1 三人の悪党 


2007.10.23 個性的な三人 【きんぴか1 三人の悪党】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
三人が三人ともあまりに違いすぎる。この個性の塊のような三人が徒党を組んで巨悪に挑む。っと書くと聞こえはいいが、純粋に巨悪に挑んでいるのではなく、どこか逆恨み的な部分もある。しかし、それが逆に人間らしいというか、自然の流れのように思えてきた。三人という人数のバランスが丁度良く、キャラクター的にも、頭がキレル者がおり、肉体的に優れた者、そして、昔かたぎのワルがいる。ちょっと女っけがないのが本作の欠点かもしれない。

■ストーリー

阪口健太、通称ピスケン。敵対する組の親分を殺り13年刑務所で過ごす。大河原勲、通称軍曹。湾岸派兵に断固反対し、単身クーデターを起こした挙句、自殺未遂。広橋秀彦、通称ヒデさん。収賄事件の罪を被り、大物議員に捨てられた元政治家秘書。あまりに個性的で価値観もバラバラな3人が、何の因果か徒党を組んで彼らを欺いた巨悪に挑む!

■感想
三人が三人とも、時代が時代であれば、大物になっていたかもしれない者ばかりだ。そんな三人が時代になじめないため、いつの間にかアウトローの立場となってしまう。なぜこの三人なのか、そして、この三人を集めた真の目的はいったい何なのか、それらは一切語られない。真の黒幕の思いが公にならないため、序盤ではただ復讐のためだけに集まった三人なのかと思った。

三人の個性が明確であり、その個性を活かしたエピソードが多数取り揃えられている。しかし、元大蔵官僚だからといってコンピュータのプロフェッショナルだというのはちょっと飛躍しすぎかと思った。三人をすべて統括するような人物が常にどこかに控えているのかと思いきや、それらがまったく登場しないのもちょっと違和感を感じてしまった。

普通ならば、この三人の悪党に対してサポート役として女性が入るのが自然なような気がした。三人自体がそれほど女っけがあるわけではないので、さらに男っぽさが強調されている。男三人、ひたすら目的のために突っ走る。悪党組織には、男を狂わすような美女がつきものではないだろうか。硬派だが少し色気がないというのは事実だろう。

ヤクザに自衛隊に大蔵官僚。大蔵官僚以外は作者の経験に基づいて書かれたものだろう。
相当リアルなのは確かだ。



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