仮面山荘殺人事件 東野圭吾


2005.4.25 ちゃぶ台返し 【仮面山荘殺人事件】

                     
■ヒトコト感想
ちょこちょこと地道にちゃぶ台の上に夕飯の用意をしていて、完成直前に
一気にそのちゃぶ台をひっくり返した。
そんな感じの物語だ。
最後に大どんでん返しがあるが、これは正に物語の全てをひっくり返している。
一歩間違うと物語を台無しにしそうだが・・・

■ストーリー
8人の男女が集まる山荘に、逃亡中の銀行強盗が侵入した。
外部との連絡を断たれた8人は脱出を試みるが、ことごとく失敗に終わる。
恐怖と緊張が高まる中、ついに1人が殺される。
だが状況から考えて、犯人は強盗たちではありえなかった。
7人の男女は互いに疑心暗鬼にかられ、パニックに陥っていった……。

■感想
ここからはネタバレが含まれるかもしれません。

まさかこんな方法で密室を作るとは思わなかった。
強引に殺人事件の犯人を絞る方法としてはかなり
新しいんじゃないかと思う。

最後の大どんでん返しはとてもすばらしいと思うのだが
1つ気になるのは謎に関わる部分の確信を握っている人物が
本作では一人称で語られている箇所があるということ。

これだと記憶喪失や二重人格などでないと、物語に説明がつかないんではないかと思ったが・・・
もしかしたら、それは僕のど読解力がないのせいなのかもしれない。
うまい具合に書かれていたのか??

読み終わった直後はそれが少し気になったくらいで、あとは十分楽しめた。
途中でこうなるのではという予想はある程度立てていたが、予想を遙かに超えるオチだった。
僕が予想した結末は、いつもの東野作品らしく悲しい結末になるかと思っていたが、
本作はそうでもなかった。
読後感は割とスッキリしている。

それぞれの人物の心情を考えると、行動に納得できない部分もあるが
物語の流れに乗るとそれも打ち消される程度の物だ。




おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp