ジョゼと虎と魚たち


2005.5.12 せつなさと男のずるさ 【ジョゼと虎と魚たち】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
せつなさと男のずるさが如実に表れている作品だと思う。
自分がもし同じ立場になったら・・・なんてことを考えると
とてもじゃないが、立ち入ることはないだろう。
悲しい物語をジョゼの口調が和らげてくれる。とてもせつなくなった。

■ストーリー
大学生の恒夫は、乳母車に乗って祖母と散歩するのが日課の自称・ジョゼこと、くみ子と知り合う。
くみ子は足が悪いというハンディキャップを背負っていたが、
自分の世界を持つユーモラスで知的な女の子だった。
そんな彼女に恒夫はどんどん引かれていき、くみ子も心を許すが、
ふたりの関係は永遠ではなかった。

■感想
自分ならどうしていいか分からないというのが正直な感想だ。
多分何もできないだろう。
立ち入る勇気がないし、僕の中では恒夫のような態度はとれない。

本質的に恒夫は男なら誰でももっているずるい部分が現れているが
それが恒夫のキャラクターというか妻夫木の演技でずいぶんと
さわやかに救われているような気がする。
恒夫を他の人が演じたらかなり嫌な感じになっていたかもしれない。

ジョゼの口調が終始、まったりとした関西弁なのにもかなりすくわれた。
あれが標準語だったり、もっと哀れみを誘うような
話し方であれば、逆に痛々しい物語になっていたと思う。

ジョゼの格好がだんだんと可愛くなっていくが、最後にはまた
元に戻っている。最後もジョゼらしくあっさりとしているが
それがよけいに悲しくなってしまう。
かわいそうと思われるのは本意ではないと思うが、
どうしてもそう思ってしまう。



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