インサイド・マン


2006.6.12 興味深い序盤から一転 【インサイド・マン】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
何か裏がありそうな銀行強盗。知能戦を繰り返す刑事と犯人。もうこれだけでかなり面白そうな雰囲気を出している。冒頭の犯人登場シーンから釘付けになることは確実で、人質全てを犯人達と同じ格好にし、なにやら怪しい動きをする。途中からある程度オチの予想ができるのだが、それ以外に何かあるだろうと期待させる流れになっている。しかし最終的には何もなく、普通に終わってしまう。ちょっと中盤までの勢いから途端に尻すぼみになっているような気がする。特にジョディーフォスターの存在意義も微妙だし、期待していただけに、こんなもんかという思いが大多数を占めた。

■ストーリー

白昼のマンハッタン信託銀行で強盗事件が発生。犯人達は50人の人質全員に自分たちと同じ服を着せる陽動作戦に出る。人質と犯人の見分けがつかない以上、突入は不可能。犯人グループから“型通り”の要求はあったものの、現場は膠着状態に。指揮を執る敏腕捜査官フレイジャーも、まったく焦りを見せないダルトンの真意をはかりかねていた。そんな中、銀行の会長から“特別”な依頼を受けた女弁護士が現場に現れる。

■感想
銀行強盗を企てる頭脳明晰なリーダー。これがそこまで頭脳明晰という描写がされていないため、ちょっと説得力に欠けるものがある。確かにカリスマ性や存在感はあるのだが、取り立てて特殊な物言いをしたり、アイデアを考え出すわけではないので普通の銀行強盗にしかみえなかった。しかし全体を通してキャラクターとしては一番目立っている。決して殺人を犯さないというポリシーからも観衆には受け入られやすいキャラクターだ。

敏腕捜査官も有能なのか、無能なのか中途半端だ。犯人のキャラクターに比べて刑事達と弁護士はこれといった特徴もなく弁護士は確かに有能なのだが、特別な何かを感じさせるようなキャラクターではない。犯人と対峙した場面で頭脳戦を繰り広げているのだが、それもしびれる様な頭脳戦というわけではなく
どこかだらけているようにみえてしまった。全体を通して銀行強盗をしているという緊迫感がないからなのだろうか。

本作の肝は結局、銀行強盗で人質と犯人を同じ格好にしてうまく最後は切り抜けるということなのだが、最後までまだ何か他のことがあるのかもしれないと思わせている。しかし最終的にはそれ以上何もなく結局は平凡な作品に終わっている

犯人グループが銀行強盗をする目的やそれを目的とした経緯などがほとんど語られていないので、はたからみるとただの愉快犯としかみえないかもしれない。警察サイドと犯人サイドのどちらも少し緊迫感がなかった。一番緊張した場面は結局最初に人質をとり、それらを整列させ従わせるくだりだった。もしかしたらそこが本作の面白さのピークなのかもしれない



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