イン・ハー・シューズ


2006.11.19 本当の自分を知っていますか? 【イン・ハー・シューズ】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
真面目で堅実な姉とバカだが美しく魅力的な妹。姉妹がまったく似ても似つかないパターンだ。それら二人の姉妹を軸としてさまざまな男達が登場し、二人の人生に関わっていく。姉妹それぞれが自分の欠点に気づきながらも、それを克服できない。本作はまさにこの姉妹がどうやって自分のコンプレックスを克服するか、それを目的としている。最終的にはとても幸せなハッピーエンドを迎える。ここに至るまでに男達は何をしたかというと、その役割をほとんど果たしていない。女達に比べるとやけに弱くそして情けなく思えてしまった。女性が見れば何かしら共感できる部分があるのではないだろうか。

■ストーリー

ルックスは最高だけれど責任感ゼロで問題ばかり引き起こす妹マギー。弁護士というキャリアを築いているけれど、自分を押し殺してきた姉ローズ、そしてとある心の傷を引きずってきた祖母のエマ。ある時、マギーはとあることで姉のローズと決定的な溝ができてしまう。行き場をなくしたマギーは今までその存在をまったく意識しなかった祖母エマの元へ向かうのだが・・・。

■感想
ローズとマギーの姉妹に加えて祖母のエマ。この三人はそれぞれ決定的なトラウマのようなものを持っている。姉妹はお互いが相手のことを気遣いながらも傷つけ合ってしまう。祖母のエマは過去の過ちを今でも悔やんでいる。そんな女達に本来なら手を差し伸べるはずの男達の姿がここにはない。結局女達はお互いに補完しあい、最後は三人とも幸せになっていく。なんだかんだ言って、女のたくましさを感じる作品でもある。

タイトルのとおり、本作は自分に合う靴を探すのは難しいということがテーマになっている。自分に合う靴、すなわち本当の自分を知ることがどれだけ難しいか。最初は自分に合う靴=生涯のパートナーかと思っていたが、男達の情けなさからそうはならなかった。女を最後に幸せにできるのは男の役目だという前時代的な考え方を持っていたために、本作との違いをまざまざと思い知らされた。
どの年代の女も最終的には強いのだということがわかった。

作品の流れ上、気にするべきことではないのだが、どうしても気になったのはマギーの難読症だ。今の時代にこのような症状の人がいるのだろうか。日本ではまず存在しないはずだが、アメリカではありえることなのだろうか。普通に会話はできるが読むことができない。作品の流れとは別に余計なところに神経を使って考えてしまった。

さまざまな年代の女性が登場し、もしかしたら女性は感情移入しやすいのかもしれない。男からするとよっぽど女性の気持ちがわかっていなければ、なかなかピンとこないかもしれない。



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