百器徒然袋 風 


2005.1.10 迷探偵大暴れ! 【百器徒然袋ー風】

                     

評価:3

3編構成の作品で本編で人気のある薔薇十字探偵・榎木津礼二郎が主役のような形で外伝ふうな作りになっている。

多分、このブログを読んでくれている人にはまったく京極シリーズを読んだことがない人がいると思うので簡単なエッセンスを説明すると。

時代は恐らく戦後間もないころを舞台で、基本はミステリーだがそのミステリーは全て妖怪、伝承等に絡む作りになっている。
その謎を解く刑事コロンボ役なのが拝み屋であり、古本屋の店主である京極堂。
その仲間達に、躁気味で人が目で見た者を、その人を見るだけで知ることができる超能力を持った探偵榎木津。鬱気味のさえない小説家関口。
人情味溢れる刑事木場が主な登場人物である。
今回はこの中で榎木津の探偵事務所のメンバーが絡む物語が三話続いている。

シリーズを読み続けている人にとってはすんなりと入り込める作品だが、初見の人には辛いかもしれない。

本編と比べるとやはり物足りない感はあるが、それでも榎木津のファンにはかなり面白い作品になっていると思う。
しかし、僕が物足りないと感じたのは最後には正義が勝つというような内容であり、主人公である榎木津自身がまったくピンチを感じていないというところにちょっと物足りなさを感じたのかも。
ただし、相変わらず榎木津の傍若無人さとその下僕達(探偵事務所のメンバー)のやりとりは面白いし、笑える。

ミステリー物って、ピンチを最後の謎解きでひっくり返すというようなことが爽快感に繋がるので、そうゆう意味では助走がすくなかったので最後の謎解きもいまいちだったのかもしれない。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
*yahoo.co.jp