放課後 


2005.4.29 学園物の王道ミステリー 【放課後】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
東野圭吾の初期の作品。学園物の王道ミステリー。
僕はハッキリ言うと王道の本格ミステリーはかなりハードルを高くして
読んでしまう。よっぽどすごいトリックか、何か画期的なことが無い限り
あまり気に入らない。
本作は物語的には面白いのだが、どうにもトリックにそれほど衝撃を受けたり、
ビックリするということがなかったので並みの印象を受けた。

■ストーリー
校内の更衣室で生徒指導の教師が青酸中毒で死んでいた。
先生を2人だけの旅行に誘う問題児、頭脳明晰の美少女・剣道部の主将、
先生をナンパするアーチェリー部の主将――犯人候補は続々登場する。
そして、運動会の仮装行列で第2の殺人が……。
乱歩賞受賞の青春推理。

■感想
今まで読んだ東野圭吾の作品と比べるとやはり初期の作品ってことでちょっと
趣が違うような気がした。決して面白くないわけではないが、それほど熱中できなかった。
相変わらず犯人は完璧と言っていいほどの準備と計画を立ててそれを完璧に実行する。
それがどうにもリアリティがないように感じた。
犯人が明かされると、よりその気持ちが強くなってしまった。
やっぱり犯人を完璧にしないとミステリーは成立しないのかなぁー?

犯人が犯行の細部にわたって告白している箇所で、どうにも醒めてしまった。
謎が分かっても、「あー、そんなことかー」という印象が拭えなかったし、
驚くこともなかった。ちょっといまいちすっきりしなかったかもしれない。

そこかしこに伏線らしき物が張られていて、それが割りと分かりやすかったので
なんとなく犯人の見当がついてしまったし、流れ的にとても分かりやすかった。

僕の中では、東野作品は複雑な構成や人間関係が入り組んだ物を最後にすっきりと
まとめあげて物語を完結させるという作品で、すばらしい物が沢山あるのでどうしても
そのイメージで読んでしまう。
あっさりと終わってしまうとちょっと拍子抜けの感がある。



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