光の雨


2005.3.24 残酷すぎる劇中劇 【光の雨】

                     

評価:3

■ヒトコト感想

劇中劇って実は始めて見たかも、映画として劇中劇をやる意味が よく分かっていないので何も偉そうなことは言えないが、 正直本作に関して言うと劇中劇にする効果も必要もないと思う。 それをすることで物語の緊張感がとぎれてしまい、 見ている方としても集中力が切れてしまった。

■ストーリー

連合赤軍の事件を題材にした小説『光の雨』が映画化されることになり、 若手キャスト(結木奈江、山本太郎ほか)が集結して撮影に入るが、 まもなくして監督(大杉漣)は失踪。 彼は赤軍を同時代を生きた男でもあった。代わって、 それまでメイキングを回していた新進監督(萩原聖人)がメガホンを取り、撮影は続行される…。


■感想

連合赤軍の時代はちょうど僕の父親世代になるのだが、 事件の概要はだいたい分かっている。 その事件をリアルに再現してあるのだが・・・ あまりに見ていて
悲惨過ぎて目を背けたくなる箇所もチラホラ。 これが現実に行われていたノンフィクションだということを知っているので さらに残酷さが際だってくるような感じすらある。

何故こんなことをしたのか?という僕らの世代が思う気持ちを、 そのまま劇中劇の中で同じような疑問を語っている。 その劇中劇のおかげで、これは演技で現実ではない、 残酷だけど演技なんだという気持ちで少し救われる気がするが、 本編の物語としての
緊張感は薄れてしまう。 連合赤軍がどうとか詳しく語ることはできないが、 その当時の悲惨さは十分に味わうことができた。

今回ビックリしたのは裕木奈江がものすごく良い味をだしていたこと。 昔は男に媚びた演技でいろいろと叩かれたりもしたが、 今はものすごく良い女優になっていると思う。 山本太郎も雰囲気が出ておりよかったのだが、 やっぱり劇中劇にしたことで役から抜けたときの部分は必要なかったと思う。

連合赤軍の時代を全く知らない世代にこの悲劇を伝える為にも できるならば劇中劇ではなく、最初から最後まで物語をやりとおしてほしかった。



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