2006.6.4 強烈なカリスマ性も感じる 【「へんな会社」のつくり方】
■ヒトコト感想
「はてな」という会社はどれほど知名度があるのだろうか。検索結果にたまにでてくる意外、はてなのサービスを使っていない者にとっては馴染みがないだろう。本作を読むと「はてな」という会社に興味がわいてきたり、そのサービスを使いたくなったりするわけではない。単純に「はてな」の代表取締役社長である近藤淳也氏の考え方やそのパワーに圧倒されてしまう。同年代としては悔しくもあり、うらやましくもある。
■ストーリー
会議は立ったまま・毎日が席替え・サービス開発のために合宿ミーティングをポッドキャスト・ユーザーの要求を株式市場化50%の完成度でサービスリリース・社員はみんな自転車通勤。CNETブログの人気連載が待望の書籍化。
■感想
本作には「へんな会社」としてさまざまな実例が紹介されている。確かに今までになく画期的かもしれない。だからといって今、自分が所属している会社で同じ事をやろうとすると途端に失敗するか、異端者扱いされるだろう。「はてな」のような小回りがきくベンチャー企業だからこそできることであり、それをそのまま大企業に当てはめるのは無謀なことだろう。しかし「はてな」はこのまま成長し、大企業になったとしてもその時にはまた新たな「大企業だけどへんな会社」というのを生み出しそうだ。
本作を読んで常に頭の中に浮かんだことは、カリスマ社長の下に一致団結した企業は勢いもあり、特にITというスピードが命の市場ではその力を存分に発揮できることだろう。しかしそれはこのカリスマ社長の下で実施できることであり、もし社長が突然いなくなれば、崩壊してしまうのではないか?なんていう余計な心配までしてしまった。それほど社長のカリスマ性が色濃くでている作品だと思った。
立って会議するへんな会社。一般的な企業をイメージすると確かにへんな会社かもしれない。しかし「はてな」という企業の中ではそれはへんなことではなく、ごく当たり前のことなのだろう。それを当たり前と取るか、へんだと思うか。この手の本を読むと、すぐに自分も新しく何かへんなことを考えようとしてしまうが、突っ走りすぎないよう、そしてカリスマ性があるわけではない自分にはどこかで客観的な目を持たなければならないと思った。
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