2007.6.30 へんに日本かぶれだ 【ハンニバル・ライジング】
評価:3
■ヒトコト感想
羊たちの沈黙にハンニバル、そしてレッドドラゴン。これらシリーズの主役であるレクター博士の原点を本作で表現しようとしているのだろうか。確かにカニバリズムに走る理由をしっかりと説明しており、納得もできる。幼少期の経験がトラウマでという、わりとありきたりな流れではあるが不自然ではない。何も問題がないのだが、このレクターがのちにあの強烈なインパクトを残すハンニバル・レクターになるとは到底思えなかった。へたに日本かぶれであったり、神経質そうな表情だったり。何を考えてるかわからない恐ろしさはあるが、異常さをあまり感じることができなかった。
■ストーリー
1952年リトアニア。戦争で家族と死に別れ、記憶の一部を失ってしまったハンニバル・レクターは、ソ連の孤児院での厳しい制裁から逃れるため、唯一の血の繋がりを頼りに叔父の住むパリへと逃亡。そこでレクターは、後の彼の人格形成に影響を与えることになる、美しい日本女性との出会いを果たす。ある日、市場で彼女が侮辱を受けたことをきっかけに、彼の封印されていた闇の扉が開き、内なる狂気が葬り去られた記憶とともに目覚めていくのだった・・・。
■感想
おばさんが日本人である理由はあったのだろうか。過去の作品を思い出しても、それらしいことが表現されていた記憶はない。どうも日本的な雰囲気が強すぎるあまり、異常性と天才的な頭脳というイメージが薄くなっている。体つきも過去のレクター博士からすると、どうも細すぎるような印象はぬぐえない。日本刀を振り回すハンニバル・レクターなど過去の作品からは一切想像できなかった。
残虐性と人食以外にレクター博士として思い出すのは、すべてを見透かしたような表情だろう。今までの作品からしても、慌てるという素振りが一切なく、落ち着き払いながら危機を脱していく。今回は若いレクターとして相手を追い詰める役柄だが、過去の作品のような相手を追い詰めるプレッシャーは弱いと感じた。さすがに貫禄では勝てないのはわかるが、いくら若いといっても、もう少しあのレクター博士の雰囲気をだしてもいいのではないかと思った。
今までの三作と比べると、明らかにトーンダウンしてる。日本を絡めたのもあまり効果的とは思えない。ただ、怪物ハンニバル・レクターのルーツという意味でははっきりと理由が説明されてるのでわかりやすいと思う。
今までの作品の雰囲気を求めて見ると、少しがっかりするかもしれない。
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