ギルバート・グレイプ


2006.1.21 ああ、憧れの田舎生活 【ギルバート・グレイプ】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
アメリカの田舎生活。ちょっとは憧れるのだがたぶん一ヶ月くらいで飽きてしまうだろう。田舎暮らしから抜け出したいが、太って身動き取れない母親と知的障害を持つ弟がいるということを理由にして抜け出さないギルバート。そこにトレーラーで旅するベッキーという輝いてる女の子がくれば興味がわくのは当然だろう。ギルバートのどうしてよいのかわからない気持ち。言うことを聞かない弟に対してはイライラがつのるがそのイライラが強ければ強いほど最後のシーンでは感動してしまう。ギルバートにとっては気づかないうちに母親が足枷になっていたのだろう。

■ストーリー

身動きできないほど太ってしまった過食症の母、18歳で知的障害をもつ弟アーニーと、2人の姉妹。田舎町アイオワ州エンドゥーラで、亡き父の代わりに一家を支え、希望や夢を抱く暇さえない日々を過ごすギルバート。だが、自由で快活な旅人ベッキーとの出会いが、彼の心に少しずつ変化もたらした。 大切な絆だが、ときに束縛にもなる「家族愛」を切り口に、ギルバートの青春の一片をみずみずしく描いた感動作である。

■感想
ギルバートはアメリカの典型的な田舎暮らしの青年なのだろう。母親思いで兄弟の面倒を良く見る。知的障害がある弟の面倒をみるのもわかる。太った母親の面倒を見るのもわかる。しかし自分の気持ちを殺してそれらをやる必要があるのだろうか。おそらくギルバート自身もこの生活に慣れてしまい、それが当たり前となってしまった。そこに新しい風を吹き込むかわいらしく自由なベッキーという女の子が現れる。彼女に引かれるのは当然のことだろう。

不倫相手の人妻から絶対に田舎から抜け出さない安全パイと思われていたり、母親の世話や弟の面倒を見るのにも嫌気が差してくるのも当然のことだ。悲しいかなこの舞台が田舎なので自棄になるとしてもちょっと離れたところへ車で向かうだけ。なんかギルバートの心の葛藤が手に取るようにわかる。どうにもできないイライラと鬱憤がたまって爆発してしまう。誰でも経験することだ。

中盤くらいになるとアーニーの行動にイライラが募る。それでもやさしく面倒を見るギルバートは何か超越したものを感じてしまう。ディカプリオがアーニーの役を演じることでイラつき感はもしかしたら倍増しているのかもしれない。

最後にとんでもないことをやってしまうのだが、それが不自然でなく自然な行動に思えてしまうから不思議だ。これもアメリカの牧歌的な田舎の風景がそれを許しているのだろうか。



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