封印作品の謎


2007.6.10 封印されるべき理由 【封印作品の謎】

                     
■ヒトコト感想
一度は公になったものの、過去に何らかの理由で封印された作品たち。どんな理由で封印に至ったのか、そして、それは封印に値する内容だったのか。本作には現在では決して目にすることができない封印作品の封印された経緯とその時代背景を含めた分析がなされている。作品的価値やその意味合いを無視した的外れな抗議や糾弾。それらによって事なかれ主義に走りがちな企業は作品を封印するしかなかったのだろう。封印に納得できるものもあれば、とうてい納得できないものもある。ただ、過去の出来事から言葉狩り的になんでもかんでも禁止していく風潮がこのころから脈々と受け継がれてきているような気がした。

■ストーリー

DVDや衛星放送が普及し、あらゆる“埋もれた名作”が発掘、復刻されている21世紀。しかしその片隅では、存在のみ知られながら、いまだ決して目にすることができない一部の作品群が、ひそかに語り継がれ続けている。これらの物語は、いったいなぜ「封印」されてしまったのか?誰が、いつ、どこで、「封印」を決めたのか…?

■感想
作品の価値や意味することなど一切関係なく、ただその一点のみに論点を絞っている。封印された作品たちは作品の中のただ一点だけを指摘され、糾弾され、そして封印されていく。今となっては一体誰が、どのような意図から糾弾したのかわからないまま封印され続けている作品さえある。作品の内容はどうあれ、封印されるにはそれなりに理由があり、納得した上での封印なのだろう。

本作はそれら封印された作品の封印されるまでの経緯やその時代背景などから分析している。実際には特別大きな事実がわかるわけではない。しかし、誰がどのようにして抗議し、どういった理由で封印されたのかは、はっきりと知ることができる。今となっては当時を知る人がほとんどいなくなった作品でさえも、
寝た子を起こすな的観点から決して封印が解かれることはない。

封印作品に特別な興味はもたなかった。作中に書かれているあらすじだけでなんとなく理解できたし、今の時代であればどのようにしてでも手に入れることができるだろう。だから封印されたままでいいかは別の話だが、なぜこの作品が、たったこれだけのことで、など、おそらく封印作品を実際に読むとそう感じるのだろう。

封印作品と書くと、センセーショナルで何か非道徳な雰囲気が漂うが、実際にはそれほど強烈な作品ではないのだろう。



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