フロストバイト


 2008.5.7  スウェーデン版ヴァンパイア 【フロストバイト】  

                     

評価:3

■ヒトコト感想
ヴァンパイアもの。噛み付かれると次々とヴァンパイアと化していく。最初にヴァンパイアとなるきっかけと、その後の広まり方が特徴的なのだろう。ヴァンパイアになりながらも理性を保てたり大暴れしたり、ヴァンパイアの存在が認識されるまでに時間がかかるということと、本人が気づかないうちに自然にヴァンパイアとしての欲求が高まっていくのが見所だろうか。いつの間にかうさぎに噛み付いていたり自分では制御できない欲求が自然と高まるという恐ろしさを感じることができる。ただ、典型的なヴァンパイアものなので、特別新しいということはない。しいて言うなら、主役の女の子が可愛らしいということだろうか。

■ストーリー

雪に覆われ、日中でも太陽が沈んだ状態がひと月続く”極夜” のスウェーデン、ラップランド地方。その街の病院から赤い錠剤のクスリが盗まれる。そのことをきっかけに奇怪な事件が続出し、ひとり、またひとりと人間がヴァンパイアと化し、町を恐怖のどん底に叩き込んでゆく…!!

■感想
ヴァンパイアに対して、いわくつきの何かがあるわけではない。お決まりどおりヴァンパイアに噛まれるか、謎の赤い錠剤を呑むかである。ヴァンパイアに噛まれたからといってその効果が即効性なわけではない。ジワジワと本人が気づかないうちにヴァンパイアの趣向になっていく。気づかないうちに血を欲する場面はさすがに鳥肌が立つ。彼女の家に食事に招待され、その席でゆっくりとヴァンパイア化していく。考えただけでも最悪のシチュエーションだろう。

日中でも太陽が沈み続けるという幻想的な雰囲気が、普通のヴァンパイアものとは違った雰囲気をかもし出している。雪の中でのヴァンパイアというのもあまりイメージがない。口から滴り落ちる血が雪に点々と痕を残す場面は、ヴァンパイアの恐ろしさを一番表現できている部分なのかもしれない。それにしてもスウェーデンがテーマとなった映画というのも初めて見たかもしれない。どこかドイツ語っぽく感じる言葉。言葉の印象はかなり大きいのだと思った。

典型的なヴァンパイアものとしては、主役は絶対にやられることなく、最後まで生き残るのが定石だ。本作も定石どおり、危機に合いながらも、すんでのところでヴァンパイアの猛威から逃れている。それと同時進行するように、もう一つのルートからヴァンパイアが広まっている。最終的にどうやって収集を付けるのか。ハリウッド的な結末を迎えない代わりに、キッチリとした結論を先送りしているような終わり方だ。

典型的なヴァンパイアものなのだが、スウェーデン映画というのが珍しいのかもしれない。



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