フライトプラン


2006.1.28 かなりイライラする 【フライトプラン】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
ジョディー・フォスターにイラっときた。確かに夫が死んでから自分の子供までも行方不明になったとなれば必死になるのはわかるが客観的に見るとこのカイルという人物はものすごく人をイライラさせるタイプかもしれない。ヒステリックに叫ぶシーンなどはまさにイライラが極限に達する。おそらくそれを狙っているのだろうがまさに狙い通りにはまってしまった。機長や乗務員達が冷静であればある程カイルのヒステリーが目立ち、おそらく見ている人にとってはとても共感が持てるような人物ではない。しかし、最後にはカイルのヒステリーも妙に納得してしまうから驚きだ。

■ストーリー

愛する夫を突然の事故で亡くし深い悲しみに暮れる航空機設計士のカイル(ジョディーフォスター)。彼女は夫の遺体を引き取り、6歳の娘ジュリアと共に最新型のジャンボジェット機で帰国の途上にあった。ところが、飛行中の機内でジュリアが忽然と姿を消してしまう。しかし乗客はおろか乗務員の誰一人としてジュリアを見た者はいなかった。さらには搭乗記録すらも存在しなかったことが判明する。それでも必死にジュリアの行方を捜すカイルに対し乗務員がFAXで送られてきた情報を伝える。それによると、ジュリアは夫と一緒に亡くなっていたのだった。すべては精神的ショックが原因の妄想だったのか・・。

■感想
搭乗記録もなく、乗務員と乗客の誰一人としてジュリアを見ておらず、さらにジュリアは病院で亡くなったという連絡を受ければたとえ自分でジュリアをつれて機内に入ったという自信があっても、どこかでその自信が揺らいでしまうだろう。客観的に見ると、確実にカイルが精神的ショックから幻覚を見ているという流れになっており、それを前提とするとカイルのヒステリックなまでにジュリアを探す姿はまさにうざったいことこの上ない

機長や乗務員達が紳士的にカイルを諭してはいるが、それに聞く耳を持たず乗客たちを巻き込んで大騒ぎを起こすカイルに主役でありながらなぜか無性にむかついたりもしてきた。子供を思う母親の気持ちはわからないが、ここまで必死になれるのは夫を失った悲しみがプラスされているからだろう。母は強しというが、強い母親というイメージにジョディー・フォスターがぴったりなのですばらしい配役だと思うが序盤のヒステリックに叫ぶシーンもジョディー・フォスターだからあそこまで見ているものをイライラさせることができたと思う。

作品の構成上明らかにカイルが正しいという流れになるのはわかっているのだが、それでも多くの客観的事実を突きつけられるともしかしたら本当にカイルは精神的におかしくなっているのではないかと思えてきてしまう。それほど徹底的に外堀から固め、カイルの異常さを演出している。

世の母親がここまで強いとは思わないが、本作を見た母親は何か感じるものがあるのだろうか。



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