2006.8.1 悪霊に取り付かれたという事実 【エミリー・ローズ】
評価:3
■ヒトコト感想
てっきり完全な創作かと思っていたら、実話を元にしているらしい。科学的な証拠を集め、公正に事件を裁くはずの裁判で非科学的な代表といえる悪魔に憑依されたという事件を裁く。客観的に考えれば精神異常の類が一番まっとうで世間の風当たりも少ない答えだろう。しかし本作のように弁護士が徹底して悪魔だと主張し、それに関して信憑性のある事実を突きつける。衝撃的な結末がまっているのだがまさか裁判でこんなことになるとは思わず、やけに現実的で普通のホラーよりも恐ろしかった。
■ストーリー
ごく普通の女子大生エミリー・ローズは、自分に何かが取り付いていると確信し、医師ではなく神父ムーアのもとを訪れる。しかし神父の努力もむなしくエミリーは悪魔祓いの儀式の後に命を落としてしまう。そして過失致死罪で起訴された神父の裁判が始まるが…。
■感想
悪魔に憑依されたらどうなるか。多少大げさに誇張されているとはいえその状態を見ると、とてもただの精神異常の人物だとは思えない。多種多様なホラーがあるが、本作のように妙に現実的な部分と絡まってくると、まるで自分が生活しているすぐ近くでも起きているような、そんな気にさせる。
悪魔に取り付かれての奇行と癲癇で関節が異常な方向に曲がることを関連付けるなど、まっとうな裁判であればそれで終わってしまうところを、しつこく悪魔払いの真実性を訴えている。ジワジワとくる恐ろしさはエミリー自身が自分が悪魔に取り付かれているということを認識しているという点だ。自分が悪魔に取り付かれていながらそれでもどうしようもできないなど、精神的におかしくなっても不思議ではない。
裁判で訴えられた神父や検察側に証人として呼ばれた医師など、どこまで裁判の結果というものに信憑性を感じているのだろうか。映画という作品で、ある程度大げさに演出されているとしても、裁判で悪霊について争うというのは普通であれば考えられないことだ。恐らく裁判官の裁量によるところが大きいのだろうが、果たして世間がそれでどの程度納得したか、それが一番気になった。
即物的に恐ろしいというのは少なく、裁判で争うという点で恐ろしさが増している不思議な作品だ。
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