ドライブ


2007.11.13 荒唐無稽なロードムービー 【ドライブ】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
荒唐無稽な展開。ある日、突然、銀行強盗が車に乗り込むくだりや、法廷速度をきっちりと守る男など興味深い部分はある。しかし、根本的にハチャメチャだということには変わりないような気がした。抑圧された朝倉のストレスがいつ大爆発するか、そればかりを気にしていたが…。時速40キロのドライブの中で、銀行強盗であるはずの三人の目的があいまいになっていく。なんだかストーリーはあってないようなもののように感じてしまった。逃げた強盗仲間にはどんな意味があったのか、最後まで謎のままだった。

■ストーリー

いつもの時間にいつもの交差点で名前も知らないOLに見とれる薬品会社の営業マン、朝倉(堤真一)のライトバンに突然覆面男が3人(大杉漣、安藤政信、寺島進)、朝倉の車に乗り込んできた。3人は朝倉に包丁をつきつけ、去っていく黒塗りの車を追わせるが、朝倉は交通ルールをきっちり守り、追いつくどころか次々と追い越される始末。逃げた強盗仲間(筧利夫)は大金を手に大笑い。途方に暮れる3人と朝倉は、時速40キロのドライブを続けるのだった・・・。

■感想
普通の映画ではないことは確かだろう。ストーリーから大幅に逸脱した展開あり、ファンタジーな展開あり。いちいち事細かな説明はない。ただ、流れの中で感じ取るしかない。ちょっと油断すると、すぐにおいてかれてしまう。作中の車は低速なのに、本作自体はとてもハイスピードでついていくのに必死だった。そのため、内容をゆっくりと吟味しながら楽しむところまでいけなかった。

なんだかわからないが、なぞのドライブをするメンバーと、
一種のロードムービー的な見方をすればいいのだろうか。次々と脱落していくメンバーだが、そこには充実感もあり、最後には強烈な仲間意識もわいているように思えた。ただ、そのとっぴな展開にはなかなか納得できない。目的がわからないうちに、うやむやになりながら、それぞれの道へ進んでいる。

なんだかんだとバタバタしたが、最後の朝倉の行動は面白かった。最後まできっちりと几帳面に自分の信念を貫く。あのなんともいえない無表情が朝倉の心情を表しているのだろう。結局は抑圧された朝倉のストレスは爆発することなく、最後まで無事に自分を保っている。映画的には、よりハチャメチャな展開を少し期待していたのだが、そうはならなかった。

いい意味でも、悪い意味でも期待を裏切ってくれる作品なのかもしれない。



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