ドリームガールズ


2007.3.31 ミュージカル調がなんとも… 【ドリームガールズ】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
ミュージカル調の本作。おそらく好き嫌いがはっきりするだろう。タイトル通りアメリカンドリームを実現するコーラスグループの話なのだが、歌にどれだけ感動できるか、これにつきる。ある程度普通に進むストーリーから突如として歌での会話が始まる。これがミュージカルの醍醐味と言われてしまえばそうかもしれない。ただようやくストーリーに入り込み集中して物語を楽しもうとすると歌が入る。おそらく英語をそのまま聞き取れる人は違和感がないのかもしれないが、歌に字幕が表示し、それを会話とする。これはかなり辛く感じた。単純にステージで歌うシーンなどすばらしい場面も多々あるが、ミュージカル調というだけで少し苦手意識がある。

■ストーリー

1962年、デトロイトでスターを夢見る3人の少女、エフィー、ローレル、ディーナはドリームメッツという名でオーディションに出場する。彼女たちに目をつけたのは中古車販売の経営者カーティス。ショービス界へ入り込みたい彼は、全財産を使って、ドリームメッツを売ることに全力を注ぎ、彼女たちはデトロイトで大人気のジミー・アーリーのコーラスガールになる。彼らは全米で大成功をおさめ、そしてコーラスガールは独立。“ザ・ドリームス”としてデビューすることに。しかし、カーティスは彼女たちに告げる。リードボーカルは圧倒的な歌唱力を誇るエフィーではなく、美人のディーナだと。エフィーは渋々受け入れるが…。

■感想
アメリカンドリームとはこういうもんだというくらい、典型的な話だろう。ショービス界の裏側や実力だけでは成功できないなど、どろどろとした部分も見せつつ圧倒的にすばらしい歌声で観衆を魅了するシーン。華やかできらびやかなステージシーンはまるでそのステージの近くで見ているような臨場感を感じることができた。

古き良き時代のアメリカをテーマとしながら歌をメインとする作品ではウォーク・ザ・ラインをすぐに思い出した。本作との決定的な違いはウォーク・ザ・ラインはあくまで普通の映画作品の一部として歌をクローズアップしていたのにくらべて、本作は全てに歌を絡めている。怒りを含んだ会話や喜びのシーン。それら全てのセリフをすばらしい歌声で観衆にアピールしている。歌だけでは演技が負けてしまうのか、
必要以上に動作も大きく、なんだか本当に映画というよりも純粋にミュージカルを見ているような気分になってきた。

基本的にミュージカルがあまり好きではない僕にとってはストーリーに集中できず辛かった。物語が佳境にはいり、深刻な話をしているかと思いきや、すぐに歌声で会話し始める。歌声自体はすばらしいので何の文句も無い。アカデミー賞助演女優賞を取った演技もすばらしいと思う。その他脇役達や久しぶりのエディー・マーフィーも懐かしくて良かった。大きな欠点はないだろう。しかし決定的なのは、ミュージカルが苦手な人には最後までフィットしないということだ。

もちろん、ミュージカルに抵抗のない知り合いは絶賛していた。



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