2006.4.26 ゲーム目線が秀逸 【DOOM/ドゥーム】
評価:3
■ヒトコト感想
DOOMというガンシューティングゲームが原作。なぞの生物に対して戦いを挑む8人の精鋭達がいい味をだしている。それぞれキャラクターもしっかりしており、役割分担や人種も多岐にわたっている。主役級の人物が二人いるのもありきたりでなくてよい。ゲームでは自分が持つ銃のみ表示し敵が襲ってくるという目線なのだが、本作でも終盤にゲームとまったく同じような映像が登場する。それなりの理由付けがされているので不自然ではない。
■ストーリー
ある日、火星にあるユニオン宇宙社オルドゥヴァイ研究所から“極秘研究の被験者が脱出、至急ここを封鎖しろ”との救援要請が入る。早速、カリフォルニア海兵隊特殊作戦本部RRTS<緊急対応戦略部隊>の精鋭8人が選ばれ、火星へと送り込まれる。そして捜索を開始した彼らの前に、到底人間とは思えない巨大な影が出現、ついにはメンバーから犠牲者が出てしまう。
■感想
RRTSのメンバーが個性豊かで、この手の作品では欠かせない幾つかの王道的なメンバーが含まれている。カリスマ性がある強引なリーダー、口が悪くて悪態をつくタイプ、ちょっとエロくてふざけたタイプ、そして正義感あふれる正統派タイプ。さらにはコンピュータ対応としてコンピュータオタクがいたり。非常にわかりやすいメンバーで、次は誰が死ぬなというのもある程度予想できる。それらすべてが含めて本作の魅力なのだろう。
普通はあまり疑問に思わないが、ゲームでは傷ついてもすぐに回復したり、死んでもすぐ生き返ったりする。本作はその矛盾を強引な手法で正当化している。それを踏まえて、終盤ではゲームと同じような目線になり襲い掛かってくる数々の怪物達をなぎ倒していく。怪物に襲われてもすぐに立ち上がって反撃する。普通の人間であればそれは無理な話だが、普通の人間でなければ問題ないことだ。
ゲーム画面になってからの独特な雰囲気。画面に登場するのはすべて怪物であり、ゲーム的に通路の角を曲がると怪物が襲ってくる。それを本人の顔が見えないためにどんな表情で攻撃しているのかがわからない。実はこれがものすごく効果的で、血も涙もなく淡々と怪物を破壊していく、冷酷非道な人物に思えてしまう。超人へと進化した人間はただ目的の為に淡々と殺戮を繰り返す。そんな印象を持った。
ゲームにおける不自然さを映画的手法で強引に解決した作品だ。
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