2007.9.17 鈍感=楽天的か? 【鈍感力】
■ヒトコト感想
鈍感のススメとも言うべき本作。何事にも神経質で敏感であれば、それだけ苦労も絶えず、幸せになれないと説いている。鈍感がオールマイティーだとは思わないが、確かに作者の言うとおり、鈍感ということは重要だと思った。本書を読みながら、自分の鈍感具合をはかり、そしてこれからは鈍感で生きていこうとほんの少しだけ思う。シチュエーションによっては鈍感すぎても問題になるが、ほどほどが重要なのだろう。ある程度、皆がわかっていることをあらためて文字にしている本作。実際に文字として見ると気持ちの入り方も違ってくる。
■ストーリー
作者自らの医師時代の体験をはじめ、数々の出会いや苦い経験から導き出した“渡辺流賢く生きるヒント集”である。推奨するのは、ずばり「鈍感であり続けること」。心身の管理から人間関係や仕事に至るまで、敏感すぎる人には良い結果が訪れないことを様々な事例で結論づけていく。他人の褒め言葉に対して、すぐに図に乗るくらいがちょうどいいという。恋愛でも、鈍感でめげない男が最後に思いを遂げると説く。
■感想
敏感で、神経質で苦労したことはある。しかし敏感であればこそ、うまくいったこともある。何事も程度の問題なのだろうが、社会的にも敏感な人が多いと思われる現代。そんな中で、本作のように面と向かって鈍感を進めることも重要となってきているのだろう。かといって日本中すべての人が鈍感になられても困る。鈍感な人もいれば敏感な人もいる。それで社会がうまく回っているような気がする。しかし、作者が言うように鈍感の方が楽なのは確かだ。
鈍感=楽観的ともとれる。社会的にも心の病があちこちに蔓延しているようだ。基本的に誰もがもう少し楽観的に物事を考えるくらいで、実はちょうどいいのかもしれない。自分のことを思い出しても、もう少し楽観的になってもいいのではないかと思う部分や、神経質になりすぎている部分もある。ある意味完璧主義なのかもしれないが、それが仕事で役にたつこともある。ただ、精神的な面では辛いことも多々ある。
自分の中で、もう少し楽に生きたいと思いながらなかなかできない人、そして、今現在悩んでいる人。それらの人々が本作を読めば、ほんの少し気持ちが楽になるかもしれない。頑張ることも大切だが、もう少し楽に、そして楽観的に生きることで生活も随分かわってくるだろう。そんなことを含め、鈍感になることがどれほど有効で、日々の生活において重要なのかを本書は知らしめてくれる。
何か躓いた時にはこの鈍感力を思い出し、元気のみなもとにしようと思う。
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