ドミノ


2006.9.30 まるでPVのような 【ドミノ】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
これが実在の人物を元に作られた作品だと最後に気づいた。賞金稼ぎという職業があること自体に驚いたが、それを綺麗な女性がやっているというのに二重の驚きを感じた。映画全体を通してまるでプロモーションビデオのようにスタイリッシュな雰囲気を出している。細かく動くカメラワークや頻繁に登場する画面分割。そしてゲームのようなデジタルな雰囲気。物語自体は昔ながらのドンパチするアナログな物なのだが、映像のマジックでとても新しく、オシャレなもののように感じてしまうから不思議だ。映像がいちいち凝っているのでプロモーションビデオのように、ただ眺めているだけでもそれなりに面白いかもしれない。

■あらすじ

名優ローレンス・ハーヴェイの娘としてロンドンに生まれ、何不自由ない恵まれた生活を享受するドミノ。しかし、父はドミノが幼いときに亡くなり、母は再婚相手探しに夢中。上流階級の生活に、空虚さばかりを感じてしまうドミノだった。やがて15歳となり美しく成長したドミノはトップ・モデルとして活躍する。しかし彼女の心が満たされることはなかった。大学進学後も荒れた生活が続く。そんなある日、新聞で“バウンティ・ハンター募集”の文字を目にした彼女は、自分が求めていた何かがそこにあると確信するのだった。

■感想
仲間たちとチームを組み、賞金首を捕まえて賞金を得る。チーム内にはひと癖もふた癖もありそうな人物たちがそれぞれの仕事をマニアックにこなしていく。賞金稼ぎのチームなんてのは、最も映画になりやすい題材かもしれない。その中に紅一点で活躍するドミノ。ありきたりの展開だがそのストーリーよりも映像の雰囲気で楽しませてくれる。淡々としたナレーションの中で、めまぐるしく変る映像とゲームのようなデジタルな雰囲気。いかにも新しい映画というような感じだ。

実在する人物をモデルにしているようで、全てが事実だとは思わないが、賞金稼ぎという物の存在と、それが公に認められているということに驚いた。賞金稼ぎなんてのは漫画の中の世界にだけ存在するものだと思っていた。賞金稼ぎのチームの中でアラブ系の男を入れることで、また一筋縄ではいかないマニアックなチームという雰囲気を出している。移動用の大型バンも派手なペイントで強烈な印象を残している。
派手な演出と大げさな表現で面白さを誇張しているものもある。

賞金稼ぎだけあって派手な銃撃戦もあれば、目をそむけたくなるようなグロテスクな場面もある。冒頭いきなり登場する腕がない男に度肝を抜かれ、いったいこれはどんな経緯でこうなったのか。取調べを受けるドミノの回想形式で語られる。最初にインパクトを与えることでその後のグロテスクな場面にも対応ができ、なんとなくコミカルな雰囲気さえでてきている。

全体的には、まあわりとありきたりな追っかけっこと最後に全てを清算するような大きな銃撃戦で終わる。しかし本作は細かなカメラワークと変化のある画面構成で、オシャレな雰囲気をだし、ちょっとザラついた映像でまた違った雰囲気も出している。いかにも新しい映画ですといったような感じ化。



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