デュエリスト


2006.5.4 美しい刺客と美しい風景 【デュエリスト】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
CMや予告を見ると明らかにラブストーリーな展開のようだが、それを期待すると大きく裏切られる。確かに主演のカン・ドンウォンは美しい顔をし、美しい剣の舞いを見せてくれるが、それと相対するハ・ジウォンがコメディちっくでどうもチグハグした印象を受ける。見所は決闘シーンであるのだが、スローモーションを多様しすぎているために、スピード感に欠けるように感じた。美しい映像と美しい刺客を見るための作品だろう。

■ストーリー

時は朝鮮王朝。世間を騒がす偽金事件を捜査するため、人々で賑わう市場に潜入した女刑事ナムスンは、仮面の男の華麗な剣の舞に目を奪われる。次の瞬間、小さな金の仏像の受け渡しをしていた男たちが斬り捨てられる。犯人は仮面の男だ。ナムスンは男を追って剣を交えるが取り逃がしてしまう。残されたのは、仏像に隠されていた偽金用の鋳型と、割れた仮面から覗く哀愁を帯びた眼差しの面影。それが刺客「悲しい目」との出会いだった。

■感想
女刑事ナムスン(ハ・ジウォン)。黙っていれば綺麗なのにこのキャラクターが無理やり男勝りにしようとしているのか話し方や行動がいちいち気になって仕方がない。それでいて仮面の男を追い詰める役を担っているのだが肝心のラブストーリーには甘さや切なさを感じることができなかった。寡黙でミステリアスな仮面の男と対比するような男勝りな女刑事。この設定は面白いのだが、キャラクターにあまり魅力を感じなかった。

仮面の男の美しい剣さばき。その仮面をとった姿はとても美しい青年。設定上刺客ということになってはいるがその存在感はすごいものがある。女刑事と比べると明らかにキャラ立ちしているのだが、ラブストーリーということになると、ちょっと男っぽさが足りないような気がした。

美しい戦闘シーン。なんとなく英雄(ヒーロー)のような感じだが、色味が美しいというよりも
全体の調和が取れて美しいという感じだろう。その見せ場である決闘シーンが頻繁に入り込むスローモーションによって、確かに緊迫感は増すのだが、スピード感は損なわれる。紙一重の剣さばきをアピールするにはこれほどわかりやすい演出はないのだが、ジェットリーのような真のアクションのすばらしさを感じることはできなかった。

見るべきところは美しい刺客と美しい風景だろうか。



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