電車男


 2005.11.1 ネタであろうが、なかろうが 【電車男】  

                     

評価:3

■ヒトコト感想
純愛物と言えなくもないが、これがネタであっても楽しめればそれでよい
しかしどうしても本のイメージとエルメス役である中谷美紀に対して違和感を感じてしまう。
彼女に対する人生の重みというのが感じられず、男から見たら理想型をあまりにも目指しすぎた為
作られた人格というような印象をうけた。
実際にエルメスが存在するとしても、すくなくとももっと生々しく、人間味に溢れていると思う。
電車男役が山田孝之なのは夢から覚めさせるように厳しい現実を直視するにはうってつけの
配役だと思う。。

■ストーリー
電車内で暴れる男から若い女性を助けたヲタクの青年が、
ネット掲示板の仲間たちの助言やアドバイスに助けられ、
彼女をデートに誘う物語を描いたラブストーリー作品

■感想
電車内で酔っぱらいから助けた女の子と仲良くなるなんてのは一般人が普通に妄想することであり
それを映画化したところで、好んで見る人はいないだろう。
これが実話というふれこみと2ちゃんねるという巨大掲示板を絡めることで全く新しく
そして鑑賞に耐えうるものになっている。
2ちゃんねるが絡まなければ、ただの安っぽい恋愛映画でしかない。

2ちゃんねるに書き込む人々を実体化することで、2ちゃん特有の便所の落書き体質な部分を曖昧にし
みんなが電車男の動向に注目しているように表現している。
まあ、実際には無関係な書き込みが山ほどあったと思うが、それをあえて映画で表現する必要もないと思う。
しかし、単純に話題になっているからと本作を見た人にとっては2ちゃんねるがとても素晴らしいものに
見えてしまう。その結果、そのまま2ちゃんねるに書き込んで手痛い反撃を食らった人は沢山いるだろう。

中谷美紀はまさしく理想のお嬢様像を体現しているのだろうが、ちょっと現実味が無さ過ぎる気がした、
どうもキャラクターに心が通っていない、冷たい印象をうけた。
電車男と会う以外の生活を全く表現していないのもあるのだが、中谷美紀が普通にしてても
冷たい印象を与えがちだからかもしれない。

2ちゃんの住人達も個性豊かで、山田孝之の純朴さも際だっており、
創作として新しい形の純愛映画として見れば十分に楽しめる作品だろう。
あえて電車男を山田孝之というイケメンにしたことで、どこか全ての人に夢を持たせるわけではなく、
あくまでこれはネタですよ、夢を見すぎず、現実を見て下さいね
というメッセージが含まれているようにも感じた。




おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp