できる若者は3年で辞める!


2007.12.29 必要なのは経営者マインド 【できる若者は3年で辞める!】

                     
■ヒトコト感想
タイトルはショッキングだが、中身は三年で辞める若者を賞賛したり、卑下するものではない。社会人としての仕事に向かうスタンスについて、事細かに書かれている。作者が経営者だけに経営者に都合のいいことばかり書かれているかと思いきや、そうではない。長い目で見れば、会社のためになり、社員のためにもなることが書かれている。本作には目からうろこな部分もあれば、わかりきっている部分もある。要は実践できるか、できないかが一番大きいのだと思う。作者が考える経営者マインドというものを、一般社員がどれくらい持つことができるか。平凡な会社員で終わりたくない人は、読んでおくべきだろう。

■ストーリー

新卒採用から3年以内に退職する社員が3割以上――。そんな統計を突きつけられたら、管理職や人事担当者が「辞めさせない方法」探しに躍起になるのも無理はない。しかし著者は「去ろうとする若者を引き留めるな、むしろ他社でも活躍できるような人材に育て上げる仕組みを作ってしまえ」と提言する。それによって、結果的に自社に有能な幹部社員が残るのだと言う。

■感想
独立を目指すような社員ばかりを採用する。これは本作のタイトルと少し矛盾があるように感じるかもしれない。経営者はどれだけ、社員を辞めさせずに定着させるかに固執しており、本作も簡単に辞めがちな若手社員の心のうちを代弁している作品のように思われるかもしれない。しかし、内容は若者の気持ちもさることながら、経営者として、どのような社員に育て、そして何を目的にするのか。平凡な平社員が、変わる可能性があるのは、本作のようなマインドを持つ場合が多いのかもしれない。

入社し、ある程度年数がたてば誰でも仕事に慣れてくる。そして、その慣れと共に成長も鈍化していく。新入社員のころの気持ちをいつまでも持つことは、はっきり言って不可能である。仕事に慣れることは悪いことではないが、本作では悪しきものとして描かれている。独立を目指すような社員であれば、自分の成長のために、慣れというものは存在しないらしい。経営者としてできる社員を育てるには、
慣れを排除し、目的を持たせることが重要なようだが、それはかなり難しいと思う。

三年で辞めるようなできる社員ではない自分は、一番本作を読んで影響されるべきだろう。報酬以上の仕事はしたくない、自分の実力を過小評価している会社。中堅どころになれば、誰もが思う会社に対する不満だろう。不満を持つだけでなく、行動しそして改革していく。本作を読むことで、自分の仕事に対する考え方をかなり変えることができたと思う。しかし、この気持ちをいつまでもち続け、実践し続けることができるか。それが一番重要なことなのだろう。

思っていても、実際に文字として目にすると、目からうろこが落ちることがある。そんなことが本作には沢山書かれている。



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