ディフェンダー


2007.6.23 現代アメリカの世相を反映? 【ディフェンダー】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
現代アメリカの世相を反映するように、テロに対する政府のスタンスを揶揄するような部分が多少あり、いかにも新しいことをテーマにしようと四苦八苦している姿が想像できた。確かに、ストーリーとしてはミステリアスな雰囲気を持たせ、謎の軍隊や国防長官と面会する謎の人物など、観衆の興味を引き付ける題材は多数用意されている。しかし、実際には用意していたミステリアスな部分よりも、激しい銃撃戦に目がいってしまい、蓋を開けてみればただのドンパチものになってしまったような感じか。

■ストーリー

厳しい戦場で生き抜いたランス。ランスはその経験を活かしアメリカ国防長官のボディガードを任された。ランス率いるチームは秘密裏に任務遂行しようとする。しかし、ランスたちには知らされていない陰謀が裏でうごめいていた。何も知らされていないランスたちは謎の集団と闘うはめになり…。

■感想
テロ国家との戦いに生き残ったランス。ここでは既に敵対する国は誰もが想像できる某国となっている。テロに対してアメリカ政府はどんな対応をとるのか。現在のブッシュ政権で問題になった部分をあっさりと本作でもやってしまっている。そして、その結末が現実とは正反対な決断を良しとするような流れになっているあたり、あからさまな政府批判と取れなくもない。この手の作品が堂々と上映されるのはアメリカの懐の深さだろう。

謎が謎をよび、最後まで二転三転しながら激しい銃撃戦を繰り広げる。話の流れ的には結束の強いランスのチームメンバーが銃撃戦で次々とやられていき、それを悲しみながらも最後は感動のフィナーレを迎えるようにしたかったのだろう。しかし、どうもランスのチームがそれほど固い絆で結ばれているとは思えなかった。ただ、任務を遂行するために、自分が生き残るために戦っているようにしか見えなかった。

激しい銃撃戦とは別に、大統領をはじめとする政府のお偉方たちの裏の動きも本作のポイントとなっている。せっかく素材もよく、それなりにできのいいストーリーもそろっていながら、それほど面白いと感じないのはなぜだろうか。特に欠点がないだけでなく、強烈なインパクトを残す何かがないせいなのか。それとも
ドルフ・ラングレーの銃撃戦に飽きてきたのだろうか。

悪くはないが、よくもない。登場人物一人一人のキャラクターがはっきりしないのと、作品が目指すトーンと実際が大きくかけ離れているのも原因なのかもしれない。



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