デス・ゲーム


 2007.12.3 やってみたいゲームだ 【デス・ゲーム】  

                     

評価:3

■ヒトコト感想
ゲームと現実がリンクする。本作はこのワンアイデアを実現したかったのだろう。70分程度の時間の中に無理やり詰め込んだ感はあるが、それなりにやりたいことはやれているような気がする。リアルな3Dゲームの中で行動する登場人物たちと、現実がリンクする。誰もが考えそうだが、誰もやらなかったことだ。この盲点を突いたアイデアはよかった。そして、ゲームの映像も演出もおどろおどろしくてよかった。ただ、全体的に駆け足で進んでため、物語に深みが足りなかったのは事実かもしれない。しかし、十分ワンアイデアは活かせていると思う。

■ストーリー

ある日、ハッチはゲーム仲間の一人で友人のルーミスが謎の死を遂げたと知る。暗い気持ちで葬式に出席したハッチはルーミスの妹から、彼が死ぬ直前までプレイしていた「Stay Alive」というビデオゲームを譲り受ける。落ち込むハッチを他のゲーム仲間たちが慰めようと集まった際に、ふとした好奇心からゲームを始めてしまった。そのゲームは17世紀に実在した「血の伯爵夫人」の異名を持つ冷酷な連続殺人鬼を追うというもので、ゲーマーのメンバーたちも夢中になってしまう。ところが、ゲーム中で自分のキャラクターが死ぬと、プレーヤーも同じ方法で死んでゆくという恐ろしい事実を発見する。次々と仲間が死んでゆくなか、生き残れる者はいるのか?

■感想
バイオハザードのようなホラーゲームであり、そのゲームないでの出来事がそのまま現実で起こる。ゲームをやめても、途中から強制参加させられる。ゲーム画面といい、雰囲気といいとても恐ろしい。ゲーム世代にとってはかなりくるものがあるのではないだろうか。ただし、もったいないのは、この設定を活かしきれていないということだろうか。いわくつきなゲームという雰囲気をだしてはいるが、結局ゲームの秘密よりも、ゲームを必死にクリアしようとする主人公たちに力をいれている。

3Dの画面に登場人物たちとそっくりなゲームキャラが登場し、ゲーム内を動き回る。ゲームオーバーになると、現実でも同じことが起きる。なぜそんなことが起きるのか、誰が裏で糸を引いているのか、そんなことばかり気になったが、それらは一切説明されることはない。不思議なことは、不思議なまま放置し、とりあえずゲームをクリアすることに必死になる。もっとゲームの秘密を深くほりさげ、ゲーム製作者が意図して作ったもので、すべての事象には原因があるという流れであれば、とても面白かったと思う。ただ、それをやるには時間がなさすぎたのだろう。

ゲームと現実のリンクというアイデアは面白い。
やられっぷりもリアルで、ゲーム的な展開も面白い。刑事が割り込みながら、犠牲になるのも良い。欲を言うなら、リングのようにとことんまで謎を突き詰め、ある程度の答えを出してほしかった。後半はゲーム的なアクションをメインにしたかったのだろうが、ちょっと冗長に感じられた。

デス・ゲーム。内容はたいして面白くなさそうだが、あんな雰囲気のゲームが存在するのなら、怖いもの見たさでやってみたくなるほど、怖い雰囲気のゲームだった。



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