ダークウォーター


2005.11.26 あなたの知らない世界的 【ダークウォーター】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
「仄暗い水の底から」のリメイク作品なのだが、オリジナルの評価はおいといて本作をリメイクという 先入観なしに見ると十分評価できる作品だと思う。 古いアパートの恐ろしさもさることながら、恐怖感の与え方が日本的であり、 天井のシミがポイントになるあたりも昔流行った 「あなたの知らない世界」を彷彿とさせる作りだ。 ハリウッド作品らしくないホラーでありながら、違和感なく成立している。 過去のリメイク作品のように外人が演技して不自然さがなかったのも良かった。

■ストーリー
離婚調停中のダリア(ジェニファー・コネリー)は最愛の娘セシリア(アリエル・ゲイド)の親権を得るため、 家賃の高いマンハッタンを離れ、集合住宅がひしめく殺伐としたルーズベルト島の、 古びたアパートへ引っ越した。暗く不気味な建物に違和感を覚えつつ、新生活を始めたダリアとセシリア。 しかし、部屋の天井に広がる黒い染みや、奇妙な水の事故、 階上から聞こえる足音に不安を感じたダリアは、親権を奪われるプレッシャーと偏頭痛に悩まされ、 悪夢を見るようになる。

■感想
じめじめした雰囲気と水道を捻ると勢いよく噴出してくる黒い水。ただでさえ恐ろしい雰囲気なのに その水周りの汚さはには違う意味で鳥肌がたってしまった。 特にトイレも含め全ての水周りから黒い水があふれ出ている場面では、 他人事ながらちょっと気持ち悪くなってしまった。

ホラー映画にありがちな不自然にアパートにとどまるということがなく、おんぼろアパートにとどまるには それなりの理由があるのもよかった。娘の親権を得るために多少の汚さと不気味さは我慢するという 母親の意地みたいなものを感じた。

子役であるアリエル・ゲイドがとても良い味をだしていた。 穢れを知らない純粋な目と母親と仲良くじゃれ合う姿はとても自然で、 そのセシリアの為に母親も苦労をいとわず、父親も必死になる姿に説得力をもたらしている。

ジワジワと見えない恐怖が襲ってくるというとても日本的な恐怖感をうまく表現している。 じめじめした雰囲気と意味深な管理人など恐怖感を煽るにはうってつけの材料も多数取りそろえられている。 そんな中で一番のポイントは天井のシミなのだろうが、僕は見たときにすぐに天井裏に死体があるなと 思ったのだが、それではまさしく「あなたの知らない世界」になってしまうので、本作は違った結末を用意している。

最終的には母親が子供を助けたような形なのだが、本人達にとっては理不尽な気持ちで一杯だろう。 たまたまその部屋に引っ越してきただけでそんな目に遭うなんて・・・。 過去の因縁やそれらしい理由もなく、災難にあっただけの物語なのだが、その理不尽さよりも ジワジワと訪れる恐怖と、セシリアが無事だったという安堵感の方が大きく心に残る作品だ。



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