ダイヤモンド・イン・パラダイス


2006.7.12 夢のような隠居生活 【ダイヤモンド・イン・パラダイス】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
南の島で夢の引退生活。泥棒家業で儲けた金で南の島でのバカンス三昧。まさに誰もが憧れる究極の隠居生活なのかもしれない。しかしそんな夢の生活には刺激もスリルもない。自分の内に秘めたる思いをごまかすことができず、恋人の忠告を無視してダイヤモンド強奪に挑戦する。この気持ちはものすごく良く分かる。今すぐに億万長者になったとして、すぐに隠居生活をしたいかというとどうだろうか。恐らく半年ほどすごせばそれでおなか一杯になってしまいそうだ。二人を追いかけ続けるFBI捜査官との巧妙な駆け引き。これが本作のスパイスであり見所なのかもしれない。

■ストーリー

この世に3つだけ存在するダイヤモンド。そのうち2つを鮮やかな手口で盗んだマックス(ピアース・ブロスナン)とローラ(サルマ・ハエック)は、それを最後に泥棒稼業から引退しバハマのパラダイス・アイランドで悠々自適・極上のバケーションを送っていた。一方、7年間もかけて二人を追い続けているFBI捜査官スタン(ウディ・ハレルソン)が現れた。その島に一時停泊中の豪華客船には、"ナポレオン・ダイヤモンド"の最後のひとつが展示されていたのだ。引退したはずの大泥棒、泥棒稼業から足を洗うことを切に願う美女、逮捕に燃えるFBI捜査官、そして組織的にダイヤを狙うギャングも現れて…。最後に笑うのは誰だ!

■感想
危険な泥棒家業から足を洗い、南の島でのバカンス生活。そこに突如あらわれたFBI捜査官。この図式ってもしかしてルパン三世ではないだろうか。正体を隠した大泥棒がルパンで、しつこく追いかけるFBI捜査官が銭形警部だ。そしてルパンのようにこの二人の掛け合いも面白い。FBI捜査官に気を使うマックス。そしてそれを分かっていながら付きまとうスタン。犯人と刑事というピリピリとした雰囲気ではなく南の島でのバカンスの雰囲気がそうさせているのか、終始和やかに物語は進んでいる。

泥棒カップルであるローラの方はもう完全に足を洗い南の島の生活を満喫したいのだが、スタンが現れたことで余計な神経をつかってしまう。マックスたちの部屋に盗聴器が仕掛けられるくだりはとても面白く、ユーモアにあふれている。本来ならばもっと神経質になっていい場面でもどこかのんびりと十年来の親友のようにスタンとマックスが戯れている姿を見ると、ほのぼのとしてしまう。

最終的にはダイヤモンド強奪に挑むのだが、その際に地元のギャングが絡んできたりと一筋縄ではいかない展開となっている。なんとなく主演のピアース・ブロスナンの影響かもしれないが様々な特殊装置を駆使するあたりはさながら007を思い出したりもした。それか物語のシリアス度はまったく違うがミッションインポッシブルにも近いのかもしれない。

ハラハラドキドキというのはすくないが、泥棒とそれを追いかける刑事というルパン的な図式が好きな人は見ても損はないと思う。



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