大停電の夜に


2006.5.30 非日常感を感じることはできる 【大停電の夜に】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
停電という非日常。それがさらにクリスマスというイベントと重なった場合どうなるのだろうか。それぞれの人々にさまざまなドラマがあるのは当然だろうし、それが偶然どこかで接点を持つこともあるだろう。しかし、決定的な何かが足りない。それぞれのドラマに面白味がないのと、インパクトが足りない。どこかだらだらと流されているような気がしてならない。停電ならではの面白さは多少感じることができるが感動や共感を感じることができなかった。

■ストーリー

クリスマスイヴの夜、東京全域が停電になってしまう。真っ暗な都会で繰り広げられる、一夜の人間ドラマ。主な登場人物は12人。閉店を決めたバーのマスター、その向かいで賑わうキャンドルショップの店員。そして愛人に別れを告げる中年男、エレベーターに閉じこめられた男と女…。無関係のようだった彼らに、思わぬつながりが見えてくる。

■感想
東京全域の大停電。これだけでもただごとではないのだが、それにクリスマスというおまけつき。クリスマス=重大イベントという先入観があるので結局、クリスマスには何か特別なことをしなければならないという気持ちがある。それを逆手にとって、そんな重大な日に停電で何もかもおかしくなってしまう。そんな状況でのドラマであれば多少の面白さはあるのだろう。

豪華な出演陣をもちい、華やかな雰囲気を出してはいるが、それぞれのエピソードに興味を持つことができなければまったく物語りに入り込むことができない。全体的に幸せいっぱいというものではなく、どこか暗く陰鬱な雰囲気をかもし出している。それは停電という状況での薄暗さのせいでもあるだろう。暗い話を蝋燭の小さな火を囲んですれば、それは暗い雰囲気になるのは当然だ。決してロマンチックではない。

大停電の混乱具合もイマイチ感じることができなかった。地下鉄はそれなりな雰囲気をだしているのだがそのほかの街中や道路の交通状態など、普通ならばもっと騒がしく世間的にも大騒ぎのはずだが、物語事態がどこか静かなため、余計な雑音が入らないようになっているのだろう。まったく世間とは隔離された、ここだけ別世界のような感じだった。

このまま停電になってエレベータが止まったら・・。なんて誰でも考える妄想をそのままやってしまったような作品に思えた。



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