デイジー


2006.10.11 韓国映画の定番 【デイジー】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
巷に溢れかえっている韓国映画。大量なCMなどでそれなりに知名度はあるのだが、ちょっと飽きられつつもある。物語自体が割とひねりのない王道なのでそれなりに楽しめるのだが、ちょっとこの韓国映画独特の雰囲気に食傷気味といってもいいだろう。花とクラシックを愛する心優しい殺し屋。そして声を失った女。昔ながらの恋愛映画にあるパターンで、ひそかに思いを寄せる相手を影ながら見つめる男。そして不幸はおとづれる・・・。なんだか似たり寄ったりな印象は拭えない。何か劇的な変化があるわけではなく、それなりに安定して楽しめるのだが、その場かぎりというか、心の残る作品ではない。

■ストーリー

オランダで骨董店を営む祖父と暮らす画家の卵ヘヨンのもとに頻繁に届けられるデイジーの花。それは夏に訪れた郊外での忘れ難くも美しい夏の日の記憶を甦らせるものだった。名前も姿も知らない送り主こそ運命の恋人だと信じるヘヨンは、肖像画の客として花を持って現れたジョンウに心惹かれるようになる。そんなヘヨンの毎日を人知れず見守り続ける男パクウィ。花を育てクラシック音楽を愛するその男は暗殺のプロだった…。

■感想
どこかで見たことがあるエピソードをつなぎ合わせ、そしてカッコイイ男が孤独な殺し屋となり、女を影から見守っている。かなりありがちなパターンでわかりやすいことこの上ない。そしてそのわかりやすさが今までの韓国映画ではうけていたようだが、そろそろ限界かもしれない。日本ではそれなりにうけがよかったチョン・ジヒョンも今までの切れた女の役ほどインパクトがなく、ただのおとなしい恋する乙女になってしまっている。それだけに彼女がでていても、ただの凡庸な映画という印象しか残らない。

殺し屋は心優しく、男前でそして腕が立つ。孤独感を癒される女性に出逢いそして彼女の幸せをかげながら応援している。まさにバイオレンスな恋愛映画の定番かもしれない。その殺し屋の恋のライバルとも言える人物はちょっと対照的に暖かい雰囲気を持ったやさしい刑事だ。もうこの設定を見ただけで
ある程度結末が予想できるのが恐ろしい。そしてその予想通りになったのが、なお恐ろしかった。

舞台がアムステルダムなのは美しい風景なだけで、中身は下町だろうとあまり変らない。アムステルダムでやる意味というのもほとんど感じることができなかった。なにせ、登場するメインキャラクターには外人がまったく登場しないのだから。これならば舞台が韓国でも大差ないだろう。

しかし、なんだかんだ言っても、それなりに決まりきった題材をキッチリと仕上げるのはさすがだと思う。奇をてらうのではなく、あえて王道な作りにしているのかもしれない。この手の作品が好きな韓流ファンにうけるのは確実だからだろう。



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