2005.8.18 奇跡のキューバ革命 【チェ・ゲバラ&カストロ】
評価:3
■ヒトコト感想
キューバ革命をドキュメンタリー形式で描いた作品。
資本主義が悪という側から描かれているので、違和感を感じてしまい、
一方的な見方から偏った印象を与えかねないと思った。
マーケティングの関係上チェ・ゲバラが主役のようなタイトルだが
実際には脇役の一人であり、メインはカストロの自伝のような形だ。
まんまと騙されてしまった。
■ストーリー
弁護士として貧困者の為に活動していたカストロは、独裁者バティスタからキューバを
救う為に武装勢力を組織しモンカダ兵営へ攻撃を仕掛けるが、逮捕されてしまう。
恩赦により釈放されメキシコに亡命後、秘密裏にキューバへ戻り活動を再開していた。
バティスタはカストロの軍に対して17の大隊を送り出したのだが、
数字の上で圧倒されていたにもかかわらず、カストロの軍隊は政府軍兵士の多くの軍務放棄によって、
一連の勝利を成し遂げて革命を成し遂げていくのであった・・・。
■感想
革命を成し遂げる作品というのは、見ているものを熱くさせる何かを感じるのだが
本作はまったく冷めた印象を受けてしまった。
事実に忠実に描くとこうなのかもしれないが、もう少し盛り上がりがほしかった。
ゲリラ戦法でバティスタの大群を打ち破っていくあたりは、本来なら一番盛り上がるはすなのだが
淡々と描かれている為に興奮するような場面もほとんどない。
チェ・ゲバラはカストロの同士の一人であり、特に特別扱いはされていない
にもかかわらずタイトルにもなっているのは、そのヒロイズムから客引きパンダのように
なってしまっている。カストロのキャラクターに比べてチェ・ゲバラはどうにも
その他大勢として扱われている。
ガエル・ガルシア・ベルナルは確かにキャラ立ちしているが、本作に関しては
カストロの前には霞んでしまっている。それほどすばらしい存在感をカストロは放っていた。
決して中立的な立場で描かれてはいないが、どのようにしてキューバ革命が起こり
その後どうなっていったかというのがリアルに分かるのは良かった。
最後にカストロ自身がキューバ革命自体が失敗だったように思う描写があるのだが
そこに本作の言いたかったことが凝縮されているような印象を受けた。
壮大な前フリからオチを強調しているのか?
決してリアル戦争映画ではなく、奇跡とも思える革命を成し遂げられる前には
もっとドロドロとした部分があったように思える。
本作は半リアルであり、革命の雰囲気を掴むにはもってこいの作品だ。
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