2007.8.21 最後のオチには驚かされた 【カオス】
評価:3
■ヒトコト感想
銀行強盗をきっかけとして、目的のわからない犯人たちの秘密を探るというミステリー。根本はなんだかありきたりなミステリーのように感じるが、最後にあっと驚かされ、すべてがすばらしいように感じてしまう。結末に至るまでが平凡であっても、結末がすばらしければ、すべての印象がよくなる。特別引き付けられる謎ではないのだが、細かな謎と、ちょっとした伏線。そして、それらが最後にはきっちりと纏め上げられる。まさかそのオチでくるとは思わなかった。
■ストーリー
米シアトルのグローバル銀行を強盗グループが襲撃、人質を捕って立てこもった。リーダーのローレンツ(ウェズリー・スナイプス)は、ベテラン刑事コナーズ(ジェイスン・ステイサム)を交渉人に指名。コナーズは謹慎処分の身だったが新米刑事デッカー(ライアン・フィリップ)とコンビを組んで現場に復帰する。コナーズはSWATと共に強行突破を試みるが、乗り込んだ瞬間、ビルは爆破され犯人たちは混乱に紛れて鮮やかに逃亡した。しかし、金庫からは現金も宝石も何も盗まれていない・・・!
■感想
純粋なミステリーではあるのだが、初期の段階では、それほど引き込まれることはなかった。ありきたりな銀行強盗と刑事の駆け引き、そして関係者が次々と殺されていく。決まりきった流れの中で、特別本作の個性のようなものを感じることができなかった。あるとすれば、コナーズが過去に人質を殺してしまい、停職中だったということだけだろう。
有能な刑事であるコナーズが犯人に翻弄され、いったい誰が真の黒幕なのか迷走する。コナーズと新米刑事や仲間たちとの関係がほんの少しポイントとなっている。新米刑事がカオス理論に行き着き、一人それについて調べていく。いつの間にか主役はこの新米刑事になり、コナーズの存在感はだんだんと薄れていく。ミステリーものでは必要不可欠な、得たいのしれない恐怖というのは感じることができなかった。それと共に犯人もまったく想像できなかった。
本作は演出が良かったのか、最後に犯人の素性が明らかになる場面ではさすがに驚かされた。いろいろな手法があると思うが、まさかこう来るとは思わなかった。最後の結末がしっかりとミステリーとして出来上がっているので、今までのありきたりな印象がふっとんでしまった。途中で集中力がきれてしまうが、最後までしっかりと見ると大きな驚きがまっている。
それほど話題にはなっていないが、良質なミステリーだと思う。
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