バタフライ・エフェクト


2005.9.5 過去に戻れるものなら戻りたい 【バタフライ・エフェクト】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
面白いアイデアであり、過去の出来事がそのまま現在に反映され、その違いを認識できるのは 本人だけというかなり都合の良い能力のような気がする。 自分の行動1つで現在の人々に多大な影響を与えるという意味ではある意味ものすごい 力なのだが、お決まりのようにその力を使った結果は悪い方にいく。 ちょっとした教訓物のような感じなのだが、単純にそれだけではなく 最後に主人公が自分の為ではなく周りの人のことを考え、良い結果をもたらしている。 これってそのまま昔話に使えそうだ。

■ストーリー
”バタフライ・エフェクトとは、「ある場所で蝶が羽ばたくと、地球の反対側で竜巻が起こる」 初期条件のわずかな違いが、将来の結果に大きな差を生み出す、という意味のカオス理論の一つ” 主人公エヴァンはごく普通の少年だった・・・、時折、記憶を喪失してしまうことを除いて。 精神科の医師は彼に、治療のために毎日日記をつけることを進めていた。 やがて時は過ぎ、大学生になったエヴァンは7歳の頃からつけていた日記を見つけ、その日記を 読み返してみると、いつしか彼の意識は日記を書いた当日のその場面にあった。 忘れていた出来事が鮮明に蘇る。

■感想
日記を見ることで、その時点に戻れるというのは新しいアイデアだろう。 さらに無差別に戻れるのではなく、ある決まった時点にしか戻れないというのも 巧みな制約条件で物語を盛り上げている。 これがものすごく効果的で、戻るための条件とともにいつでも、どこでも好きなときに 過去に戻れるタイムマシーンのようではないのがかなり秀逸だ。

主人公も決して不幸な生活であったわけではないが、最初のきっかけがほんの些細なことから 始まり、そこから過去の改変に真剣になっていく。 このへんがとてもうまいところで、人は誰しも幸せを求めるのだが、それには限度がなく 求めれば、求めるほど悪い方にいってしまう。

人は過去に、「あれをしていれば良かった」 という思いは誰にでもあるだろう、それが人生のターニングポイントであり、 そこでの選択が後の人生に大きな影響を与えることであればなおさらだ。 おそらく今の人生がどんなに幸せな人でも過去に戻ってやり直したいことはあるはずだ。 その結果、現在の生活がどう変わるか分からなくても・・・。

結末はものすごくあっけなく感じたのは僕だけだろうか?ある程度繰り返しになることは 予想できたのだが、ラストもそのまま進むとは思わなかった。 実は自分と同じ経験をしていた父親が、何かキーポイントになるのかと思っていたが 父親はあまり効果的に扱われていない。

主人公の気持ちは途中までは愛する人を幸せにしたいという思いなのだが、 途中から自分も含めてみんな幸せに、最後にはもうどうにでもなれと、 やけになっているような印象を受けた。

非情に面白いアイデアで新しさを感じたし、十分ハラハラドキドキを満喫できた。



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