ブラザーフッド


2005.3.6 リアルな悲しさ 【ブラザーフッド】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
韓流ブームにのって韓国四天王のうち二人(チャン・ドンゴンとウォンビン)が 出演している本作はかなり日本で話題になり、作品としての評価も高かった。 今、ちょっとそのブームが落ち着いたようなので改めて純粋な気持ちで見ることにした。

■ストーリー

朝鮮戦争に強制徴用されたジンテ(チャン・ドンゴン)とジンソク(ウォンビン)の兄弟は、 最前線へと送り込まれることに。 この世で最も大切な弟を除隊させたいと願うジンテは、 自分が戦場で成果をあげて勲章さえもらえば、弟を自由にできると知って 必死の思いで危険な任務を遂行し続ける。 だがどんどん非情になっていくジンテを理解できないジンソク。 やがて2人の間に大きな溝が…。

■感想
戦争映画でリアルを売りにしている作品ではプライベートライアンなどがあるが、 リアルといっても金髪の外人が激しい銃撃戦を繰り広げている様子を見ると 心の奥底には他人事のような気持ちが抜けきることは無い。 しかし、本作では見た目は日本人と変わらず、徴兵制という制度によって強制的に 最前線に送り込まれるという境遇はものすごく日本人である自分にとっては 昔の日本はこんな感じだったのではないのかという思いがし、 すべての面でリアルさを感じた。

戦争の残酷さと異常さはものすごく本作から感じることができる。 さらに昨日まで仲間だったものと戦わなければならない、なんてところは 朝鮮戦争ならではといったところかもしれない。

後半ではジンテが異常とも思える行動をとるが、それこそ前線の兵士達にとっては あたりまえのことかもしえない。 人を殺すという行為を平然とやってのけるにはどこかで自分とは違う人格を 持ち込まないと正常な心理状態では乗り切れないと思う。 それは分かっていても、ジンテの異常な行動には
見ていて苦しくなってきた。

ジンテの家族よりも自分よりも弟を優先する考え。 その気持ちはとても伝わってくるが、肝心なジンソクが受け入れようとしない。 最終的にジンソクが無謀とも思える行動に出る動機は兄の気持ちに気がついたからだが、 その行動も兄の思いとは逆の方向にいっている。

とても悲しく、感動する映画だ。




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