亡国のイージス


2006.6.9 ほとばしる男臭さ 【亡国のイージス】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
男臭さ抜群だ。男の男による男の為の熱い映画と言えるだろう。自衛隊に対するその存在意義を問うのと同時にテロに対する日本の考え方を分かりやすく映像化している。見ていると多少漫画っぽいと感じることもあるがまさに日本版ダイ・ハードと言えるかもしれない。暑苦しい男達がそれぞれの思想と日本の平和のために戦う。どの人物に感情移入するにしても、熱い男でなければこの作品を受け止めることはできないだろう。

■ストーリー

最新鋭の防空システムを搭載したイージス護衛艦「いそかぜ」に、沖縄米軍基地から盗まれた化学兵器「GUSOH」が特殊工作員によって持ち込まれたのだ。「いそかぜ」の先任伍長の仙石はその情報をつかみ、新入りの如月が工作員ではないかと、目星をつけるが、副長から離艦命令が。そのあと「いそかぜ」の全ミサイルの標的が東京に設定された。黒幕は対日工作員のヨンファ。彼の目的は?そして東京はどうなる?

■感想
申し訳程度に登場する女テロリストを除いて、画面に登場するのは常に男ばかり。それも眉間に皺を寄せた厳しい表情ばかり。海洋での戦艦だ捕。これってどこかで聞いたことあると思ったら、かなり昔に流行った「沈黙の艦隊」そのままだろう。ストーリー上も日本の自衛隊を批判し、原子力潜水艦一隻で独立国を宣言していたり。違いは多々あるが、どちらもカリスマに先導され部下達はその人物に心酔している。しかしちょっと寺尾明はぼんやりした印象を感じた。

テロに対抗するための防衛庁の情報部がなぜそんなに落ち着いていられるのだろうか。緊迫した雰囲気の中、佐藤浩市だけは常に冷静で、それだけに周りの幹部達の慌てぶりをみるとなおさら
冷静沈着な男っぷりが際立っている。本作の流れだと真田広之がかっこいいのはもちろんだが、次には佐藤浩市の役がくるのではないだろうか。

某国のテロリストを演じている中井貴一とその仲間達。どうしても某国を連想するキャスティングをしている。確信犯なのだろうが、そこでかなりリアリティを増している。上官の命令には絶対服従の先頭マシーンのような無表情さもそれを際立たせているようだ。

自衛隊制度に不満があり、熱く感動したい人にはうってつけの作品だろう。



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