2007.6.18 後味の良くない残虐性 【ブラッドレイン】
評価:3
■ヒトコト感想
ヴァンパイアハンターものなのである程度決まりきったパターンは想像できる。しかし、本作の中で予想をはるかに上回っていたのはその残虐性だ。R15指定されているのである程度覚悟はしていたが、残虐さの方向性が普通と違うように感じた。ヴァンパイアなので当然人間に噛み付き、戦いがあれば剣で切りつけたりもするだろう。ただ、その戦いの中に、普通なら存在する一貫した正義というものを感じることができない。普通の人間があっさりと人を剣で突き刺したり、僧侶を真っ二つに切り裂いたり。躊躇なく繰り広げられる殺戮に驚きというよりも唖然としてしまった。
■ストーリー
18世紀のルーマニア。ヴァンパイア・ハンター“業火の会”のメンバーは、人間とヴァンパイアのハーフ<ダムフィア>として生まれた女・レインを追跡する。幼い頃に母親を殺した犯人が実の父であり、世界征服を企む最強のヴァンパイアのケイガンだと知ったレインは、父への復讐と野望の阻止のため、壮絶な戦いに身を投じて行く…。
■感想
序盤からレインと仲の良い娘が、噛み付かれたからといってあっさりと剣を突きたてられる。普通ならば、どうにかして助けようとするのが映画的流れではないのか。不自然な仲間意識も虫唾が走るが、あまりにあっさりと躊躇なく剣を突き刺すシーンはインパクトがでかい。
人間とヴァンパイアのハーフであるレイン。レインを手に入れようとするケイガン。そしてヴァンパイア・ハンターたち。この三者にその他のやられ役たちが入り混じり、激しい戦いを繰り広げていくのだが…。やられ役が気の毒なほど残酷にばっさりと切り捨てられている。振り向けば血しぶき、そして首が飛ぶ。必要以上に流血させるのも本作の特徴なのだろう。見た目の演出的な効果はあるのだろうが、作品としてはどこかチープに感じてしまう。
ヴァンパイアのハーフであるレインの人間離れした動きとヴァンパイアハンターたちの強さ。本来ならこの二組は正義の味方的な役割を担っているはずだが、なんでもありな本作だけに、あっさりと村人たちであろうがなんだろうが手にかけている。そして世界征服をたくらむケイガンであったり、そのケイガンを心酔している謎の人間たちであったり謎だらけなことには変わりないが、一貫した正義感というものを感じられないだけに後味はあまりよくない。
ありきたりでも、この手の作品はわかりやすい方がいいような気がした。
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